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私は何度も何度も彼らが差し伸べてくれた手を払ってきた。どうにかして後を追ってこないように念を押したはず。なのに、何故……あんなに強い意思を持ってこんな私を助け出そうとしてくれるの。私は死にたいって、そう言ったはずなのに。

「新兵器巨大パチンコ。名をカブトその威力とくと見よ!!必殺"火の鳥星ファイアバードスター"!!」

船長さんに言われた通りに長鼻くんは自慢の武器で私のいる塔に掲げられてる風にたなびく世界政府の旗を一発で撃ち落とした。旗は風の助けもあってすぐに燃え尽きた。

「やりやがったァーー!!海賊達が!世界政府に!宣戦布告しやがったァーー!!」
「正気か貴様らァ!全世界を敵に回して生きてられると思うなよォ!!」
「望むところだァーーーっ!!!」

大きな口をあけてスパンダムとを薙ぎ払うように叫んだ声を聞いたら、もう逆らえない。そんな風に思わせるぐらい強いものを感じられた。

「ロビン!!まだお前の口から聞いてねェ!生きたいと言えェ!!!」
「……ロビン!」
「ロビンっ!」

生きる……。私は今まで生きている事自体が罪なんだと私の存在を否定され続けてきた。だから生きる事は望んではいけない事だと思ってた……誰もそれを許してくれなかった。あなた達が、サウロの言っていた仲間だというのなら……信じていい仲間だというのなら、もし本当に少しだけ、望みを言っていいのなら、私は……。

「生ぎたいっ!!!……私も一緒に海へ連れてって!!」

これが私の一番の願い。どんなにねじ伏せられそうになっても、それでもずっと強く願ってきた。今まで散々彼らの伸ばしてくれる手から逃げてきたけど、今でも間に合うなら私をまたあなた達の船に乗せていろんな海へ連れて行ってほしい!


・・・・・



準備は整った。ロビンのお願いも聞いた。あとは今度こそロビンを助け出すだけ。今まで助ける助けるって言ってきたけど、今度こそ、本当に、助けるんだ。

「ぎゃあああ来んなー!!」
「行くぞ!!!」
「跳ね橋が下りるぞーーっ!!」
「ロビン!!必ず助ける!!」

タイミングよく下り始めた跳ね橋が半分も開かないまま止まって、あれだけじゃ向こう側には渡れそうにない。

「跳ね橋が止まった!!」
「スパンダム長官っ!司法の塔から避難を!」
「邪魔しやがって……!何だチキショー!誰だァーーっ!!」

砲撃音が聞こえたから誰かが強制的に跳ね橋を止めちゃったのかもしれない。そしたらもう跳ね橋は動かないだろうからどうにかして違う渡り方を考えなくちゃ!あたしには思いつかないけど!

「アニキー!!フランキーのアニキー!」
「アニキ助けに来たわいなー!」
「麦わらさん達と一緒に来たぜー!」
「ソドムもドモラも頑張ったんだー!」
「アニキおれ達と帰りましょう!」
「ケガはないですかー!?」
「て、てめェら……てめェらコノヤロー誰が助けに来いなんて……来いなんで、だドンダンダデョーーウ!!!」
「アーーニーーキーーッ!!」
「バカヤローコノヤロー泣いてねェぞー!」
「うるせェお前らァーーっ!!」
「いや鬼かっ!!」

下から聞こえてきたフランキー一家のみんなの声に涙もろいフランキーは顔をぐちゃぐちゃにして泣き出した。声もぐちゃぐちゃ。そんな感動的な場面もルフィが変な水をさしたせいでおじゃんになっちゃったけど。

「麦わらァ!!子分達が世話んなった様だな……今度は棟梁のこのフランキー様がスーパーな大戦力となってやる!!」
「勝手にしろォ!!おれはまだウソップの事根にもってんだからな!!」

そこでナミの持ってた子電伝虫にココロのおばあさんから通信が入った。

「バーさんか!?どういう事だ!?」
「わかんないっ!滝へ……飛べって!」

滝へ飛べってその下に何かあるの?それとも下から何か出てくるとか?十分な説明がなくて躊躇ってたあたし達を無理やり伸ばした腕に巻きこんで、ルフィがみんなを道連れに下に飛び降りた。

「いくぞ!!」
「うわあああああああ!!」

みんなからそれぞれ悲鳴があがってるけど、あたしは楽しい!跳ね橋に叩きつけられそうになったとき、ロケットマンが飛び出してきたからその上にどうにか着地できた。しかも勢いを保ったままこの島に乗りこんだときみたいに飛んで、向こう側の建て物にぶつかりながらどうにか乗りこめた。