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ロビンが励ましてくれたおかげでなんとか下じゃなくて前を向いて戦う事ができた。あたしもルフィ達みたいに強くなりたい。少しでもさっきより強く。そう思いながらロビンを狙って軍艦から攻めてくる海兵達を風でなぎ払った。と言ってもナミ達がいる橋のほうじゃなくて船の上から遠距離攻撃だけどね。みんなロビンを狙ってるからやりやすいや。

あたし達が脱出船とロビンを守りながら戦っていると少し離れたところでCP9のやつと戦ってたルフィが一撃を正面で受けて倒れた。

「ルフィーーっ!!ルフィ!お前何やってんだよォ!!起きろー!」
「……ウソップだ……」

倒れたルフィを見たそげキングがルフィに届くように叫んだと思ったらそれはウソップだった。そげキングだと思ったらウソップだった。ウソップがそげキングが被ってたお面持ってる。という事はやっぱりそげキングはウソップだったんだ。あのとき素直に行くって言えなかったから変装したのかな?そげキングって何だったんだろう。ただのウソップじゃん。まんまと騙されて恥ずかしい、あたしってば。

「よォし来い!ボスネコ!吹き飛ばしてやる!!」
「バカか!やめろウソップ殺されるぞ!」
「だまれ!じゃあ死にぞこないのお前に何かできるってのか!?」
「コイツはおれがブッ飛ばすんだ!」
「だったらすぐに立てよ!だったら!死にそうなツラしてんじゃねェよ!!お前らしくねェじゃねェか!爆煙で黒くたって空も見える 海も見える……!ここが地獄じゃあるめェし!お前が死にそうな顔すんなよ!心配させんじゃねェよチキショー!勝って!みんなで一緒に帰るぞルフィ!!」
「当たり前だ!!」

こっちも敵の人数が多くてゆっくり聞いていられなかったけどウソップの言葉でルフィが立ちあがったみたい。そしてまたさっきみたいに体中を赤くしてCP9のやつに向かってった。ルフィの方が今まで受けてきたダメージが多いせいかスピードでは負けてる。負けてるけど、でも負けられないんだ。だから残ってる全部の力をその技に込めるように、ガトリングガンのように何発も何発も零さずにCP9に叩き込んだ。

「一緒に帰るぞォ!ロビーーン!!」

ルフィの大きな声がこの砲弾と金属が擦れ合う音だらけの空間に響き渡ったら全身に鳥肌が立った。ルフィがあいつに勝ったんだ!


それからさっき海軍を通して死んじゃったって知らされた造船所の人達やフランキーの子分達の声もどこからか聞こえてきた。その声を聞いてフランキーのズビズビ涙声も聞こえた。きっと顔がぐちゃぐちゃになってるだろうなって簡単に想像つく。

あとはここの敵を蹴散らしてこの軍艦の中から逃げれば終わりなんだ。やっと終わりが見えてきた。それなのにルフィはうつ伏せに寝転がったまま起きあがろうとしない。ウソップが声をかけても動こうとしない。ここから抜け出す準備はばっちしなのに。

「……ダメだ……体がよ。ぜんぜん、動かねェ……!!」
「……バカ言ってんじゃねェよ!敵は倒したじゃねェか!ロビンも取り返した後はもう帰るだけじゃねェか!!頼む!頑張れ!!」
「ウソップ!ルフィのいる支柱へ船を回しましょう!全員急いで船へ!」

すぐ横にいた軍艦があたし達が乗ってる船に大砲の照準を合わせてた。

「みんな!船から下りて!!」

咄嗟の事で身体が動かない代わりに大声をはると横から黒い影が現れてワイワイはしゃいでたチムニーもココロおばあさんも、倒れてたチョッパーもみんな抱えて船から脱出してったのが見えた。