120

リリナちゃんとルフィのじいちゃんはどういう関係なのかと同じように疑問に思っていたナミさんが、代弁するようにリリナちゃんに二人の関係を聞いてくれた。話によると二人は前に一度会った事があって、その時にルフィのじいちゃんから「おじいちゃん」と呼んでもいいと許可をもらったからそう呼ばせてもらってるらしい。実際血の繋がりはないがじいちゃんからも、孫娘のように可愛がってもらっているんだとか。

「おれとリリナじゃ態度が違ェじゃねェか!」
「あたり前だ!リリナに拳骨したら嫌われてしまうじゃろうが!」

嫌われないようにとリリナちゃんを気づかう心は本物の孫娘に接するものと何ら変わらない。自分のときとのギャップに抗議するルフィだが逆にもう一つたんこぶを増やす事になるだけだった。やっぱりいろいろおかしいところがありすぎてついていけねェな。


ルフィの話によると過去に何度もこのじいちゃんに殺されかけた事があるらしい。谷に突き落とされ、夜のジャングルに放りこまれ、風船にくくりつけて空に飛ばされたそうだ。それを聞いたらルフィのあの生命力の根源はただゴムゴムの能力者だからってわけじゃねェって事だと分かる。ルフィのあのめちゃくちゃさは遺伝って事かよ。

「最終的には友人に託しエースと共に修業をさせたが目を離してみればこのザマだ……。わしはお前を強い海兵にする為に鍛えてやったんじゃぞ!!」
「おれは海賊になりてェってずっと言ってたじゃねェかよ!!」
「赤髪に毒されおってくだらん!」
「シャ、シャンクスはおれの命の恩人だ!悪くいうな!」
「じいちゃんに向かっていうなとは何事じゃ!」
「ギャーごめんなさいっ!」

相当小さい頃酷い目に遭わせられてきたのか、あのじいさんが拳を握るとルフィの闘争心はすぐに失われて顔をそむけてしまう。それからも二人同じタイミングで寝るわ、やっぱりルフィは何発も拳骨食らってたんこぶタワーができあがるわ、もう勝手にやってればいい。このペースにおれらはついていけねェな。

「ガープおじいちゃん、ルフィに似てるね!」
「似てるのはルフィだけどね」
「親が親なら子も子だって事だろ」
「あの人はじいちゃんだけどな」

その後はどこからかやってきたのか、ゾロに手を出してきた海兵とルフィを下から蹴りあげたもう一人の海兵がいたがそれぞれ呆気なくやられて、せっかく傷が回復したってのに戦闘が始まるのかと思ってたがその二人はルフィの知り合いだと言うし、あのじいさんがルフィの親父は革命家のドラゴンだってぽろっとカミングアウトしちまって騒然となるし今日はいろいろ精神的にくるものがあった。