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記録ログがたまった!記録指針ログポースが次の島を差してる!」
「んじゃ後は乗る船だな!楽しみだ!」
「そうね。驚かせるから完成まで見に来るなって言われてるし……」
「次はどんな島かなあ?」
「さあ。でも何だか下を向いてるような……」

ガレーラカンパニーから借りてる部屋で寛いでるとナミの持ってるログポースがたまったって見せてくれた。顔を近づけて見てみると、確かに赤い針の方が下を向いてるように見える。

「んががが……そりゃそうら。次の島は海底の楽園、魚人島らよ!」
「へーもうそんなところまで来て
「えーー!?んぎょぎょぎょぎょぎょ……!魚人島ー!?ついに!?」
「ええ!?どうしたんだサンジ!」

魚人島っていう言葉にすかさず反応したサンジくんの目はハートになってて、あまりの反応にびっくりしてるチョッパー。あたしとしてはどんな反応をしたらいいのか分からなくて、ただじっと浮かれるサンジくんを見るしかなかった。

「魚人島は偉大なる航路グランドラインの名スポット!世にも美しいマーメイド達が海上に弧を描き魚達と共に戯れる夢の王国!」

手でハートを作ってはしゃいでたサンジくんの目にココロおばあさんが映ったのか一瞬で顔が青ざめた。

「夢みたっていいじゃねェか!海賊だもの!!」
「いるよ!ちゃんと若ェのが!!」

悔しがるように床を叩くサンジくんを見てたら諦めっていうか気にしたってしょうがないかって思えた。だってメロリンしてるからサンジくんであってメロリンしてなかったらサンジくんじゃなくなっちゃうもんね。それに人魚なんて早々見られるものじゃないし、サンジくんがあれだけはしゃぐのも頷ける。あたしだって見たとき感動したもん。

「ただし、楽園には簡単に辿り着けるもんじゃらいよ」
「海底っていうのが気になるけど……」
「そこはまー行ってみりゃわかるよ。問題はそこじゃらいね。一面を見な。最近の新聞ら」

そっかそろそろ魚人島に行けるんだねえ。みんな元気にしてるかな?一回行ったっきり行ってないからな。あ、でも海賊がそんな来た道戻るなんて事もできないか。……あ、あたしは戻っちゃったね。事故だけど。

「……何コレ……。今月もまた14隻……船が消えた。どういう事?」
魔の三角地帯フロリアン・トライアングル。楽園へ到達する為に必ず通る事になる海域ら。その海では毎年100隻以上の船が消息不明になるんら……。そして後々船から船員だけが消えちまった船が見つかったり……。死者をのせて海をさ迷うゴーストシップの目撃情報が後を立たない」
「オバケ出んのかー!?コエー!」
「オバケやだあぁ……」

魚人島の話をしてたはずなのに、いつの間にかオバケの話になってた。魚人島とオバケと何が関係あるのかな。あたしはそんなところ行きたくないよ。見たくもないし、避けて通る事できないのかな?

「商船や海賊船のなれの果てのゴースト船には、宝船の伝説がつきものよね」
「ゴースト船を探すのよっ!!」
「まかせろー!!」
「えー!いやだー!」
「ただの遭難なら食糧も充分積んでくつもりだ、心配ねェ」
「宝船か……刀もあるかな」
「……ま、がんばんな」

あたしの気持ちとは裏腹に宝船の一言で行かないって言ってたはずのナミが180度意見を変えてゴーストシップを探す流れになってしまった。やだなやだな本当にやだな。


「海賊にーちゃん達ー!」
「麦わらーっ!」
「ん?何か用か?」
「フランキーのアニキが……!みんなを呼んで来いって……!!」
「夢の船が完成したんだわいな!」
「すっごいのできてるよーっ!」

この先の事を考えて落ち込んでいるとキウイとモズとチムニーが走って来たと思ったらそんな報告。喜ぶみんなよりワンテンポ遅れたけど、船を見にいくって部屋を出たみんなの後を追った。

「麦ーーわらーーさーーん!!」
「フランキー一家!」
「あんた達どうしたんだわいな?息切らして……!」
「実は……無理を聞いて貰おうと……手配書、見ましたか!?」
「手配書?」
「あんた、とんでもねェ額ついてるぜ!麦わらさん。それに、他のみんなも追加手配されちまってる!」

子分の人達が大勢で来て、手配書を見せてくれた。今回はあたしの金額もあがってるみたいでよかった。アラバスタのときは金額あがらなくてオヤジ達に見つけてもらえなかったかもしれないから一安心。あ、でも記事に名前くらい書いてあったかな?だったらマルコか誰かが見つけてくれてたりするかも。今回のいくらあがったかな。みんなで手配書を囲んでいる円の中に入ると見慣れた顔が写ってる手配書が並んでた。