「よーし!強そうな名前おれ考えた!クマ!白クマ!ライオン号!」
「そんな変な名前の船あるかァ!」
「じゃ、トラ!狼!ライオン号」
「その動物のら列をやめろ!何の呪いだ!」
「イカ!タコ!チンパンジー!」
「ライオンいねェじゃねェかっ!」
ウソップのルフィが提案する名前一つひとつに対するつっこみにはキレがある。こうやって普通に話すのは久しぶりだったからかな?寂しかったんなら素直に戻ってくればよかったのに。男の人は不器用だな。
「船の名前、おれからも候補があるぜ。ガレーラの奴らは船首を見てひまわりだと勘違いしてたがな。バカバーグが太陽だと思い込んでたな。過酷な千の海を太陽の様に陽気に越えていく船、海賊船サウザンドサニー号!!」
「おおっ!?」
「かっこいいなそれっ!」
「おれが今考えてたダンゴ・ゴリラ・ライオン号よりいい!」
「しりとりかっ!」
「おれの頭をよぎったライオネル親方より、いいな」
「私の暗黒丸より……」
「おれのムッシュひまわりより……」
「気は確かかおめーら!」
「千の海を越える船って、素敵ね。
千の海を太陽のように陽気に越えていく。確かにみんないつも賑やかで何だって楽しそうにしてるからぴったりだ!あの船首ライオンだと思ってたのに太陽だったのかあ。でもサウザンドサニー号っていう名前はみんな賛成した。いい名前だって、あたしも思う!
「今の内にこの美しい水の都を見納めとけ!あっと言う間島のかげも見えなくなるぞ!」
「そうか……じゃ。じいちゃーーん!それからコビーと、久しぶりに会えてよかった!!」
「呼べよ!!おれの名を!!」
「何じゃいルフィ!!まだ玉は残っとるぞ!!」
拡声器を使わなくても叫べば声が聞こえるくらい近くなった距離からガープおじいちゃんが投げてきた砲弾をルフィが体を張って止めた。
「こっからおれ達本気で逃げるからな!またどっかで会おう!!アイスのおっさーん!船の名前貰ったぞ!いい名前ありがとう!みんな色々ありがとうーー!!おれ達行くからよーーっ!みんな元気でなーー!!またなー!!」
岸からはさっきよりも離れちゃったからルフィの声は聞こえてないかもしれないけど、一言でも聞こえてたらいいな。ありがとうだけでも聞こえてたらいいな。
「さァ行くぞ!!巨大空砲と宝樹アダムの強度によって実現した驚異の緊急加速装置!」
甲板の真ん中の隠し通路から船の中に入っていったフランキーを見届けると、ガープおじいちゃんがどこに隠してたのかってくらいに大きい鉄球を飛ばしてきたからこれはさすがに逃げられないと思った。
「わしをナメとったらケガするぞ!!」
「おわーー!!特大鉄球!!」
「"
空が黒い鉄球のせいで真っ暗になっちゃうと思ったときいきなり体が後ろに倒れて、すごい勢いに後ろにあった木に頭と背中をぶつけた。ジンジン痛む頭と背中に体を丸めてたら正面から風に吹かれて顔をあげると、髪が風に吹かれてなびいた。横をみると空がどんどん流れていってる。この感覚は前にも味わった事がある。前回のときより勢いはないけど、空島の
立ちあがって確認すると本当に空を飛んでた。また、船に乗って空を飛べるなんて思わなかった!流れる景色が綺麗で胸がいっぱいになる。気持ちがいい。
「コーラ樽3つも消費しちまうが1km飛べる!お前らの乗ってきたゴーイング・メリー号にできて、この船にできねェ事は何一つない!全てにおいて上回る!だが!あの船の勇敢な魂は!このサウザンドサニー号が継いで行く!!破損したらおれが完璧に直してやる!船や兵器の事は何でもおれに頼れ!今日からコイツが!お前らの船だ!!」
大きい水飛沫と一緒に聞こえたフランキーの声。フランキーがいれば船の事は心配いらないね。またメリーみたいにボロボロのまま進んでいく事もなくなる。この船にまたとっても心強い仲間が増えました。