このサウザンドサニー号は船内にたくさん遊ぶところがあって航海中でも楽しい一日を過ごすことができるし、フランキーがあたしの為に作ってくれた洗濯物の水気をきる装置のおかげで作業が楽になったし、その分楽しさも増えたの。だからフランキーには感謝してます。もらった装置を使いたくて洗うものないかって聞きすぎてナミに大人しくしてなさいって怒られちゃったから、ルフィとウソップと釣りをする事にした。
「釣れたー!」
「カッチョイイサメ釣ったぞーっ!」
「ツノ生えてる!」
「入れろ!入れろ!」
「生簀に入れろっ!」
サメを生け簀に押しこんでから、走ってアクアリウムバーに向かうルフィとウソップを追いかけた。今日は大漁なの!さっきマンボウも釣れたし、小さくて可愛い魚も釣れたんだ!
「おーい!」
「サメ入って来たか!?すげーツノはえたやつ!」
「ええ、入って来たけど……。今まで釣ったお魚はみんないなくなっちゃったわよ?」
「ギャーーっ!!」
「共存ってもんを考えろ当たり前のことだろうが!」
生け簀の中のサメは目を細めて満足そうな顔をしてる。周りに他の魚達は泳いでない。もちろんあたしの釣った魚も。ああ、まだ名前も決めてなかったのに。そのサメは今日の夜ご飯に美味しくして食べることに決まった。そんな話してたらルフィがお腹すいたって騒ぎだしたからサンジくんがドーナツを作ってくれることになった。サンジくんと一緒にキッチンにあがってミルクティーを出してもらった。ちょっと暑いから今日はアイスティー。
サンジくんがドーナツを作ってるところを見ながらお話ししてたら外からゾロの声が聞こえてきた。海に何か浮いてるんだって。作業を中断したサンジくんと甲板に出ると波に流されてるタルを見つけた。引きあげると海神御宝前って書いてある旗がついてた。これ前にも拾ったことあったんだ。
「もしかして!宝船の落とし物じゃねェか!?」
「お宝!?」
「残念、お酒と保存食よ」
「何で見てねェのにわかんだよ!」
「海神御宝前って書いてあるでしょ。それは流し樽といって誰かが航海の無事を祈って、海の守護神にお供え物をしたって事よ。宝前は神様へって意味」
「おうせっかく酒だろ、飲もうぜ」
お酒かあ。最近飲んでないから飲みたいな。今回はナミ飲ませてくれるかな?いつもいつもあたしだけ飲ませてくれないからあたしも我慢の限界だよ。
「バカ!お前バチが当たるぞ!」
「お祈りすれば飲んでもいいのよ?」
「おれは神には祈らねェ」
「波にもまれたお酒は格別に美味しいんだって」
「そりゃ味わうべきだ!よし乾杯するぞ!」
「あたしも飲むよ!やったー!」
「やったー!」
「リリナはダーメ!」
「えぇーーっ!!」
「サンジくんうるさい!」
タルの中身をあける前に少し揉めたけどやっぱりナミに勝てるわけもなく、結局お酒は飲まないって約束をさせられた。あたしがナミに勝てないのは分かってたことなんだけどね。それよりあたしが勝てる日が来るのかも分からないよ。
いざタルを開けてみたら、その瞬間に空に何かが打ちあがって赤い光が光った。青い空に赤い光っていうのは異色で不気味に見えた。
「何!?どういうこと!?」
「酒が飛んで光って消えた!」
「発光弾よ」
「はっはっはっ!海の神の呪いじゃねェのか?」
「……ただのイタズラならいいけど、もしかして……」
重そうだったタルの中身が今の発光弾だけだったら拍子抜け。こんなに楽しみにしてたのに期待を裏切るなんて酷い事する人もいるんだなあ。
「この船はこれから誰かに狙われるかも知れない」
「まさか……そういう罠なのか!?樽を開けた事でおれ達がここにいると今誰に知らせちまったのか!?」
「どこにも誰も見えないぞ!?」
「……誰も、見えないけど……」
「早く船を動かさなくちゃ」
「……うん。みんな持ち場に!南南東へ逃げるわよ!」
風を感じた。航海術なんてさっぱりだけど風のことならあたしにも分かるんだ。あたしが呟いた言葉を隣にいたナミが拾ってくれて、他のみんなに声をかけて船を言われた通りの方向に進めた。それでも雨が降りだして雷が落ちて、風が強くなると波が高くなって嵐に巻き込まれた。でもこの船についてるパドルのおかげでなんとか嵐を越えられた。