なやみごと

スカイピア後くらいの話 。


あたしにだって女の子としての悩みはある。最近は自分の体型のこと。メリーに乗ってから気になり始めたんだけど、あたしの身体って平坦だなって。モビーに乗ってたときは男の人だらけで全然気にならなかったしナースさん達がいたけど、あれはスタイルが良い好みの人を見つけてきたからだったし。けどナミはあたしの一個上なのに大人な体だし、年下のビビちゃんだってあたしと同じくらいだった。

着てたシャツを脱いでおへその隠れるチューブトップとパンツだけになってもやっぱりナミとかロビンみたいな、こう……出るとこが出て引っ込んでるとこは引っ込んでるスタイルじゃない。あたしの体は出るとこはちょっとだけ出てて引っ込んでるとこもちょっとだけ引っ込んでる。中途半端な体型なんだ。

「どうしたの?風使いさん」
「どわ!」
「あら、驚かせちゃってごめんなさいね」

鏡の中の自分に夢中でロビンが部屋に来てたことに気付かなかった。やばいぞ、夢中だったとは言っても最近たるんでるぞあたし!しっかりしなきゃマルコに怒られちゃう!

「なにか悩みごと?」
「う、うーん……悩みっていうか……あたしもロビンみたいにスタイル良くなるのかなーって……」
「なれるわよ」

ちょっと恥ずかしかったけど、すぐに答えてくれて嬉しかったのに少し不安にもなった。ロビンはそうでもあたしは違うかもしれないって。

「でも一個上のナミはスタイルいいのにあたし全然だし……」
「航海士さんはちょっとおませさんなだけよ。すぐに気にならないようになるわ」
「ロビンみたいに大人な世界を知らなくてもなれるかな?」
「フフ、ええ」

笑われちゃったけどまた大丈夫だって言ってくれてホッとした。根拠は全然ないけどそうなれる気がした。落ち着きのある人って何でこんなに説得力があるんだろう。マルコもオヤジもそうだもんなあ。ウインク1つで男の人をうち抜けるようになりたいんだけどなあ。

「今のままでも十分よ」

あたしの心を見透かしたようなことを言うロビンに驚きながらまた鏡の中にいるあたしを見てみる。ロビンもナミも体のラインを隠せるような服あんまり着ないから余計キレイに見えるのかなあ。だからサンジくんがあんなにメロメロになるのかもなあ。

「ロビンみたいに大人になれば男の人に声かけられるかな?」
「声かけられたいの?」
「そういうわけじゃないけど……」
「いくら町行く人に声かけられても肝心な人じゃなかったら意味がないと思うわ」
「そうだけど……。でもこんな子供っぽくっちゃ意味ない気がして……」
「……。今のままでも好きになってくれる人は必ずいるわよ」
「何でそんなこと思うの?」
「フフ、なんでかしらね」

笑ってはぐらかすロビンはこういうところがあるからミステリアスなんだな。スッキリしないけど、ロビンにいろいろ言ってもらえて気分が晴れた。とりあえずもう少し待ってみようかな。どうせ三日坊主になっちゃうから努力はしないけどね!

「もう少し恋愛に積極的になったらどうかしら。恋は女を美しくするって言うじゃない?」
「え、言うの?」
「ええ」

あたしってこんなに無知だったんだなあ。あたり前のように言ってたロビンに肩を落とした。

そうだ、きっとサンジくんにメロリンしてもらえたらあたしも女の人として見てもらえるってことになるかな?後でナミに美の秘訣を教えてもらおっと!