024

「津波が来るぞォーーう!!」
「は!?」

先に走ってったナミ達を追おうとしたら、ルフィが大声をあげて騒ぎだした。焦点が合ってないし、どっかおかしい感じがする。

「おいどうしたルフィ!?」
「次は何だよ!」
「おいおいやっぱりさっきのがマズかったんじゃねェのか!?」
「何ださっきのって……!」
「それがよ、止めたんだがさっき肉と一緒にその辺のサボテンも食ってやがって」
「サボテン!?」
「もしかしてこれか?」
「ああ、そんな丸っこいヤツだったな」

ルフィが食べちゃったサボテンはチョッパー曰くメスカルサボテンって名前で幻覚剤を作るときに使うサボテンなんだとか。

「よ〜〜しみんなまとめてぶっ飛ばすぞォ!ゴムゴムのォ〜〜」
「麻酔!」
「よし!でかしたチョッパー!」

ぐるぐると腕を回し始めたルフィにチョッパーがすかさずバックから麻酔薬を出して、ルフィに打ったらすぐに寝息をたてて寝ちゃった。即効性抜群だ。

「おいあのアホラクダもうあんな遠くへ!」
「追うぞ急げ!」

ルフィに気をとられてるうちにナミ達は見失っちゃいそうなくらいの小ささになっていて、慌てて追いかける。ウソップが遅れはじめてペースが遅くなってナミ達が見えなくなったとき、いきなり大きいカエルが出てきたと思ったらウソップが一目散にもの凄い速さで逃げたり、ラクダの足跡を見つけて辿ってると待っててくれたナミ達と合流したら安心して足の力が抜けて尻もちついたら、サンジくんが手を貸してくれた。紳士だった!そんな事をしてるうちに今は日が沈んで暑かったのが嘘みたいに寒い。


「あそこ!明かりが見える!?」
「着いたのか!?ユバに!砂が舞っててよくわかんねェや」

そろそろ足が限界に近付いてきて、見えてきた町のほうから気持ちよくない嫌な風の音が聞こえてそこに目を向けて凝らす。

「砂嵐!!ユバの町が砂嵐に襲われてる!」

その砂嵐は町を覆うくらい大きい。重い足を動かしてユバの町へ歩く。

「リリナさん?」
「ちょっと、行ってくる」
「行ってくるって、どこに……」

ユバの町から離れない砂嵐の目の前までいくと細かい砂が体に吹きかかってくる。吹き飛ばされそうになるのを堪えながら目を瞑って砂嵐の渦へ手を差し込んだ。街を襲う渦と反対方向の風を起こすと大きな音を立てながら2つの嵐は少しずつ層を薄くしながら消えていった。

「あんなすごい砂嵐を……!」
「やっぱお前すげェなァ!」

2人の声に振りかえって笑うと砂漠を歩いてきて限界の体から力が抜けて一気に眠気が襲ってきた。こんなとこで寝ちゃだめだってわかってるけど、強い睡魔には勝てなくてそのまま目を閉じて身を任せるとふわっとした感覚に包まれて安心して眠りにつけた。