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ユバから丸1日歩いてやっとレインベースに着いた。レインベースには人がいっぱいいてナノハナとは違った雰囲気の町だけど、賑やかで落ち着く。向こうのほうにワニの顔がついた建物があるけどあそこ何だろう。それも気になるけど町にスモーカーいる。そもそも何しにここへ来たんだろう。

「喉渇いたー」
「もうすぐルフィ達が持って来てくれるわよ」
「あ」
「何?どうかした?」
「ルフィだ」

荷物番をしていて噂をすればなんとやら、ルフィとウソップが見えて近づいてくるとその後を追いかけてくるようにスモーカーも見えてきた。

「ゲッ。あいつら海軍に追われてるぞ!」
「ウソでしょう!?で何でこっちへ逃げてくんのよ!」
「おいみんな!海軍が来たぞォ!!」
「お前らが連れて来たんだよっ!」

いきり立ちながら追いかけてくる海兵たちの一番前にスモーカーが見えた。スモーカーあんまり好きじゃないな。表情が固くてあんまり馴染めないし、それならたしぎのほうがいいな。

「おいリリナ行くぞ!」
「え!?うわあ!」

後ろを見てそんな事ばかり考えてたから、みんなの話を聞いてなくていきなりルフィに掴まれたと思ったらびよんと上に跳びあがった。

「来てみろ、ケムリンッ!」
「……いつまでも逃げ切れると思うな!"白蔓ホワイトバイン"!」
「WヴィルベルヴィントW」

広げた手のひらをスモーカーの方へ突き出すと、あたしの手を中心にして旋風が起きてスモーカーを後ろへ押し戻してあたし達との距離をあけた。

「サンキュー!リリナ」
「うん!」

体勢を立て直してる隙にワニの家に向かって走ってたら、もうゾロとナミとウソップがいた。

「待ちやがれ!」
「おォ!行くぞみんな!中に走れ!走れ!!待ってろ!クロコダイルーーっ!」

あれ、ビビとサンジくんがまだ町にいるけどいいのかな?チョッパーもまだ来てないけど。


ワニの家の中は賭けごとに使う機械ばっかりで、みんなそれに釘づけになってる。楽しいのかな?やってみたいな。

「クロコダイルーっ!出て来いーっ!出て来い!」
「そんなんで出てくるわけないでしょ!?バカねっ!」
「相手は国の英雄だぞ!店の客まで敵に回す気かよ!」

大きい声でクロコダイルの名前を呼んだルフィに2人で頭をぶったウソップとナミ。グーだから痛そう。でもルフィはゴムだから痛くないか。

「よし!じゃ、どうする!?」
「おいちょっと待て!ビビががいなきゃ誰がクロコダイルだかわかんねェぞ」
「それはリリナが知ってるから大丈夫だけど、ビビがいなきゃ始まらないじゃない!」
「ビビーーっ!クロコダイルーーっ!」

ビビは建物の外だって教えてあげようとしたら、大きい音を立ててスモーカーが中に入ってきた。

「追いつめたぞ麦わら!湖に囲まれたこの店じゃあもう逃げ場はねェ!」
「ケムリンだーっ!」

追いかけて来たスモーカーから逃げようってお店の奥に走っていくとお店の人が笑顔で案内をしてくれてる。VIPルームだって!

「かかって来いってことじゃないかしら?」
「話のわかる野郎じゃねェか!」
「VIPルームって何があるかな?」
「うっし!行くぞーっ!」

まだスモーカーが追いかけてくるけどここ建物の中だから風起こしたらひっちゃかめっちゃかになっちゃうだろうし、風は使えないな。

「ビップってなんだ!?」
「おい通路が別れてるぞ!」
「VIPルームは左だぞ!」
「いや待てよ。でもおれ達は海賊じゃねェか!こっちだ!」

ルフィとウソップがとっさに答えをだして右に曲がると床が抜けて下に落ちてって、反応が遅れたから後ろを走ってたゾロとナミとあたしも一緒に落ちてしまった。まんまと捕まって檻の中に入った。スモーカーまで。……抜け出せるかな。