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3人が潜ってちょっとした頃遠くの方が騒がしくなっと思ったら大きい船がいきなり現れた。現れたっていうよりいたって感じだけど。

「また妙なのが出てきたわ、こんな時に」
「おいお前ら、そこで何してる。ここはこのおれのナワバリだ」
「ナワバリ?」
「そうとも。このテリトリーに沈んだ船は全ておれのものだ。てめェら手ェ出しちゃいねェだろうな!んん!?」

あの猿だらけな船にいる一番猿に近いあいつがきっと船長ね。よく喋るし。

「あの人、サルページするつもりらしいわよ?」
「あ、ああ。そんな事言ってんなァ」
「じゃあ何?これってチャンスなの?」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねーっ!おれ様の質問に答えやがれウキーっ!」
「すいません質問していいですか?」
「おめェがすんのかよっ!」

何あいつ1人で騒がしいやつね。まあそういうのには慣れてるっちゃ慣れてるけどあれはあれでまた違った感じだわ。

「これから船をサルページなさるんですか?」
「なサル!?おい、そんなにおれはサルあがりか?」
「サルあがり?」
「男前って意味だ!そう思うか?」

そしてコツを掴んだら扱いやすいタイプかも。見かけからしてそんな感じするけど。いやでもやっぱ面倒くさいわ。

「で?サルページすんのか?」
「そりゃおめェするもしねェも、そこに船が沈んでりゃ引き上げる男さおれァ!浮いてりゃ沈めて引き上げる男さ!おれ達に引き上げられねェ船はねェ!」
「じゃあ、見学させて貰っていいですか?」
「……そうか!サルページがめずらしいかお前ら。よしいいだろう、見学してくがいい!」

よし。とりあえず様子をみましょう。意味わからない事言う時もあるけどスルーしとけば問題なさそう。着々と準備を進めていく様子をみてると向こうのクルーが作業をしてた奴が殴られた跡があるって話し声が聞こえて冷や汗かいた。殴られたって絶対ルフィ達の事じゃないのよ。あいつら何やっちゃってんの!

「何ィ!?誰か海底にいるってのか!?じゃあ……オイお前らァ!!海底に、誰かいるぞ!気をつけろ!」

なんて言い訳をしようか考えつかなかったけど、あいつがバカでよかった!バカじゃなかったら今ごろ給気に気づかれてたかもしれないわね。バカもたまには役に立つじゃない。


向こうのサルページが始まってからしばらくしたらいきなりルフィ達が叫ぶから慌てて口を塞いでウソップが誤魔化したら、どうにか話を逸らす事ができた。船首のサルが動いて海の中に入ると向こうの船が賑やかになって、吹き込みがどうとか言いだした。息を吹き込んで船を持ち上げるって事?そんなこと事できるの!?

そしたらまた海底でうちの奴らが何かしたみたいで、あの船長サル直々に海の中に飛びこんでった。大事にならなきゃいいけど。ふと海面をみたら明らかに他とは違う色してる。明らかに何かいるわよあれ!しかもただものじゃない影の大きさだし何だっていうのよもうやだ!

「ねェ船の下に」
「ああ、何かいる」

しかもちょうど私達の船の下じゃないのよ。でも、運良く通り過ぎてくれるかもしれないし……。ていうか絶対通り過ぎて……!