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ルフィと話しが終わった後、すぐにまた正面から来たサルが乗った船と遭遇した。乗ってたサルが大きく口を開けて何か吠えたせいでさっき直したばかりの船がまた壊れだしちゃったから慌てて逃げてきた。それにしてとサルっておかしな事ばっかするんだね。

「着いたわ、地図の場所」

着いたところには大きいお城がたってた。まさかこんなお城に住んでるなんて、どんな人なんだろう。オヤジみたいに大きな人かもしれない。もしかして女の人だったりして。

「げ!ただの板!?」
「当の家は半分だけ。あとはベニヤ造りだ」
「ずいぶんとケチな男らしいな」

期待が膨らんでドキドキしてたのにお城だと思ってたものはただの板で、バランスが崩れた板はそのまま静かに地面に倒れた。なんて残念なんだろう。

「一体どんな夢を語って町を追われたの?」
「くわしくはわからないけど、このジャヤという島には莫大な黄金が眠っていると言ってるらしいわ」
「黄金!?」
「どっかの海賊の埋蔵金か何か!?」
「さァ、どうかしら」

板に隠れてたお家はなぜか半分で切れてた。謎だらけの家にルフィは1人で入っていって、それを後から追いかけていくウソップ。人の気配はないけど今は留守なのかな?勝手に入って大丈夫かな。それはそうと黄金かあ。どれだけ埋まってるのかな?なんかそんな雰囲気全然ないけどな。

「絵本。ずいぶん年期の入った本ね。うそつきノーランドだって、あはは」
「ほーイカスタイトルだな。題材がいいぜ」
「うそつきノーランド!?へー懐かしいなガキの頃よく読んだよ」
「知ってんの?サンジくん。でもこれ北の海ノースブルー発行って書いてあるわよ」
「ああ、おれ生まれは北の海ノースブルーだからな。みんなにゃ言った事なかったか?」
「へー、サンジくん北の海ノースブルー生まれなんだね!」
「初耳だな。お前もイーストだと思ってたよ」
「育ちはな。まァどうでもいいさ。こいつはノースでは有名な話なんだ。童話とは言ってもこのノーランドって奴は昔実在したって話を聞いた事がある」

それからナミがその本を声に出して読んでくれた。悲しい終わり方だったのが童話っぽくなくてちょっと現実味がある。それにどっかで聞いた事あるような話だったけど思い出せないな。でも本の表紙に見覚えはないしなー。あたしが首を捻って思い出そうとしてると何かが海に落ちる音がして振り返るとルフィの足が沈んでくのが見えた。ルフィが海に落ちた。

「てめェら誰だ!人のウチで勝手におくつろぎとはいい度胸。ここらの海はおれのナワバリだ。狙いは金だな、死ぬがいい」

それだけ言うとサンジくんを攻めたてる。サンジくんが攻めに出られてないあたり、スピードに少し追いつけてないみたい。見兼ねたゾロがその間に入ろうとしたらいきなり栗のおじさんが倒れちゃったから動きを止めて様子を見てたら、チョッパーがおじさんに駆けよってすぐに家で寝かせてあげてほしいって慌てだしたから、ゾロがおじさんを担いで家のベッドに寝かせた。
チョッパーが言うにはこの人は潜水病っていう病気でほんとは持病にはならないんだけど、でももしかしたら死んじゃう病気なんだって。

家の中でじっとしてたら少し眠くなってきてうとうとし始めたとこでいきなりさっきのサルの気配が近づいてくるのを感じた。2人揃ってこっちに来てるみたい。

「おやっさァん!大丈夫かァ!?」

でも目的はあたし達じゃないみたい。このおじさんと知り合いなのかな?いきなり現れたサル2人を見てウソップとチョッパーが慌て始めた。

「おめェらここで何してんだァ!」
「おやっさんに何をしたァ!」
「何だお前ら。今このおっさんを看病してんだからどっか行けよ」

ルフィがけろっとした顔で言い返すとウソップがそんな話聞くはずない!って割って入ったのに、そのサルは意外とすぐに信じてくれてあたし達がいい奴らだって涙を流してくれた。予想外すぎてウソップ達壁にぶつかってっちゃった。


変な誤解も解けてルフィが仲良くなったサル達と外で話ししてるとき、おじさんが起きたからチョッパーがルフィを呼んできた。

「迷惑かけたな。おめェらをいつもの金塊狙いのアホ共だと思った」
「え!?金塊をお持ちなの!?」
「狙うな狙うな」

金塊って言葉にすかさずナミの目がベリーに輝いた。

「おれに、聞きてェ事ってのは何だ?」
「空島に行きてェんだ!行き方を教えてくれ!」

ルフィが聞くとおじさんは咥えてた煙草が落ちちゃうくらい大きい口を開けて笑った。それにナミの怒りがぶり返してきちゃってウソップが抑えこんでる。

「空島はねェのか!?」
「フフ……。さァな、あると言っていた奴を一人知ってるがそいつは世間じゃ伝説的な大うそつき。その一族は永遠の笑い者だ」

それからおじさんはうそつきノーランドって呼ばれる先祖の話をしてくれた。