「リリナちゃんは船に乗っててくれ!」
「じっとしてろ!何もするな!」
立ち上がったあたしを見たルフィ達が下からそう言ってきた。あたしに何もするなってちょっと酷くない?今まで戦闘に加わってきたのみんなも見てたよね?あたしはただの女の子じゃないし、白ひげ海賊団の船に乗っていられたのもエースやみんなに守られてきたからじゃないのに。そりゃ隊長達みんな強いから強い相手とは滅多に、じゃなくてほとんど戦えないけど。
「……後はお前だけ。お前も衝撃によって壊れろ!」
ぴょんぴょん雲から雲に乗り移ってあたしの乗ってる船と一番近い雲からあたしに飛びかかってきてまん丸神官はあたしに掌を向けた。
「"インパ……
「"ヴィントシュトース"」
あたしに向けられた掌の手首を両手で固定して下に屈んで避けて、さっきの技を空撃ちさせた。あたしも同じようにまん丸神官に掌を顔の前に向けて旋風を巻き起こしてまん丸神官を木に叩きつけた。
「修行してきたなら心得て来てるはず。油断は禁物だって。それって虫でも雲でもあたしみたいな女でも一緒でしょ?……敵なら!」
「……。油断……確かに油断していた。目が覆われてるお前は回避などできないと。まさかお前みたいな女が……
「あたし達はマントラって呼ばないけどね」
やっぱりマントラと見聞色は一緒なんだ。あいつはただ叩きつけただけだからすぐにまん丸神官は起きあがって雲に乗っかった。
「
「うん」
「ゴムゴムの……!"
下から上ってきたルフィがまん丸神官に向かって攻撃して来たのをあっさり躱して、その伸びてきた腕を掴むと遠心力を使って木の幹に叩きつけた。
「ほっほほう!慌てずにゆっくりして行くといいぞ」
「リリナちゃん!どうにかして船を止めておいてくれ!」
「止める!?どどうやって止めればいいの!?」
「何とか自分で考えろ!おれらもなんとか合流するから!」
サンジくんとウソップに船を止めるように言われて船に使えそうなものがないか探してみるけどオールしかないし、ロープでもあれば木に巻きつけられるんだけど。
下では船を確保しようと木の上に登ってるウソップから指示を受けて走り回ってるサンジくんに向けてまん丸神官がまん丸雲を蹴り飛ばした。と思ったら何回か木の幹に当たって方向が変わってウソップ目がけて飛んでった。
「わあ!狙いはおれでした!」
まさか自分に飛んでくるとは思ってなかったウソップは驚いて木を掴んでた手を離しちゃって地面に落ちた。爆発すると思ってたみたい。ごめんね、助けてあげればよかったね。
「こォオオの野郎ォォ!!ゴムゴムの……!"
「よせルフィ!やたらとその辺のたまを撃つな!」
ルフィのいくつもの拳に当たってまん丸雲があっちこっちで木の幹に当たってひっちゃかめっちゃかになった。
「何だ!?」
「だめだ、もう手遅れだ!」
「八方から飛んで来るぞ!」
「ほっほほほっほ!面白いなお前達」
サンジくんには槍とカニが、ウソップは4つの雲の中から出てきた鳥からの総攻撃、ルフィは出てきた炎がお尻に点いちゃって水を求めて川に入ったけどタイミング良く中から魚が出てきてお尻を食べられてる。
「うわっ抜けた!」
「ルフィ!下の川には落ちるな!底がねェかも知れねェ!」
サンジくんにそう言われたルフィは咄嗟に幹に巻きついてた蔓を掴んだ。
「く!あ……危ねェ。あァ、アーアアーー」
慌てて掴んだ蔓なのに今は楽しそうにぶら下がってる。楽しそう、あたしもやりたいけどやったらサンジくんに怒られるよ絶対。
「はっ!そうだそうか、その手があったか。今こそ試す時だ!新兵器ウソップアーアアー!やった!ちょうど川の向こうに船が!」
ウソップがさっきのルフィのアーアアーを見て閃いたみたいで、ちょうど船が通ってる川の上の幹にロープを取りつけた。
「よしっ!あの船まで一直線だ!これを逃すと、船はさらに森の奥へ入って手がつけられなくなる!」
「ヘェ、やるじゃねェか!玉に気をつけろよ!」
「んなヘマはしねェよ!ジャングルの王者と呼べ!ウソーップアーアアーー!!」
自分の乗ってた木から足を離すと勢いをつけて船目掛けてきた。やった!ウソップがいれば船を止められる!あのロープ使おう!
「よしっ!ピッタリだ、乗り込んで船を止めろ!」
「そうだ!しまった!ロープはベルトに固定してあるのでおれはロープから降りられないっ!」
一生懸命どうにかしてロープを外そうとするウソップがどんどん遠ざかっていく。向こうではまだルフィが楽しそうに蔓にぶら下がってる。これ、大丈夫かな。
「…………」
ロープや蔓から降りた2人はサンジくんの手によってタンコブだらけにされちゃった。船もあっち行ったりこっち行ったりしてるから直接みんなを見る事ができないけど。
「サンジ!!」
ちょうど3人が大樹の陰に隠れた時、サンジくんが不意をつかれてまん丸神官にさっきの技を胸元に受けた。しかもさっきまでとは違って今回は威力があがってる。口から血を吐いたサンジくんはその場に倒れた。
「さて……あと2人」