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「あんな事言っときながら結局守られちまってたのか……」
「言われた通り、少しだけ守ってもらったよ。……でもこんなにボロボロになるくらいならあたし一緒に戦うよ。ボロボロになって倒れてるサンジくん見て心臓止まるかと思ったんだから」
「リリナちゃん……」

遠くの空まで届くように鳴り響く鐘の音を聞きながらゾロを探しに行くまでサンジくんの隣を歩きながら話していると悔しがってるのか、悲しがってるのかそんな顔であたしをみてきたサンジくんに笑いかける。


遺跡にもたれかかるように座ってるゾロを見つけて降りると近くに倒れてるゲリラも見つけた。

「おーい!!」

チョッパーがゲリラの手当てをしてると向こうの方から大きい袋を抱えたルフィとナミとコニスが走ってきてた。

「ああ!んナミさぁーー!んクォーニスちゃあーん!」
「ルフィ!」

手を振り返すとサンジくんが心配だったって泣き出すコニスに目をハートにしてぐるぐる回ってメロリンの新技を披露してたし、あんなに心配してちょっと損したかな、って思ったけどいつも通りに戻ったサンジくんにやっぱり安心できた。


ルフィ達が持ってきた食べものをルフィ中心にしてみんなで食べて、何もなくなった頃にはもう日が沈みかけてて周りが薄暗くなってきてた。

「あー!食った食った。意外と量あったなァ」
「すっかり夜だな……」
「どうする?船に戻る?」
「ナミ何言ってんだ?」
「どうしたの?」
「ウソップ、あんな事言ってるぞ」
「人間失格だな」
「何なのよっ!」

こういうやりとり前もみた気がする……ってぼんやり考えてると周りからたくさんの木を集め出したルフィとウソップが火を付けると、少しずつ火が大きくなってきてワイワイ騒ぎ始めるとそれを聞きつけた人達が集まってくると島中の人で戦いが終わったんだって喜びと単純にこの宴を楽しめた。


・・・・・



長い間続いた宴が嘘のようにみんなバラバラに動き出しておれは空の奴らを集めて特製ウソップ輪ゴームと交換でたくさんのダイアルを手に入れた頃、日はすっかり登りきってるってのにリリナのやつは今だに目を瞑って寝てやがる。

「つーかこいついつまで寝る気だよ。ゾロでさえ起きてんのに」
「てめェな」

今回の空島でリリナのやった事を思い出しながら寝顔を見ていると本当にこいつがやってきたのかって疑うほどだ。なんとかの覇気が使えるから気配がわかるだとか、ルフィでもサンジでも手強かったダンゴ神官に一撃食らわせたりいち早くエネルの気配に気づいて立ち向かってったり。おちおちしてたらおれらの出番なくなっちまうんじゃねェかってくらい早い。

「こいつ強ェけどよ、打たれ弱いんじゃねェかと思うんだ」
「打たれ弱い?」
「おれらより強くて覇気っつーやつも使えるけど、そんなにダメージ受けたことないんじゃねェのかなってよ。風使う時はだいたい距離あけてるし、自分の体で直接攻撃するわけでもねェし」

ダンゴ神官の時も一発でへろへろになってたし、エネルの一撃食らった後もおれらより堪えてたみてェだし、そこはさすがに女なんだって事を実感するとこだ。

「……女なんてみんなそんなもんだろ」
「まあそうなんだけどよ。他の女より戦う力があると忘れがちになるだろ」

今誰よりも睡眠時間が長いのはダメージがあるせいなのか、こいつが寝坊助なのか分からないけどな。