「何やってんだ、あいつ」
「まァ気持ちをくんでやれよ」
「おいこっち来い!」
「あ、はい」
「よし!じゃあロビンちゃん奪回作戦を決行する!」
また座り直してサンジくん主催で作戦会議が始まった。と、思ったら隣からそげキングが割りこんできた。
「君達、初対面の私に何か質問などないのかね。そげきの島ってどこにあるの?とか」
「あなたはウソップの双子のお兄さん?」
「っなん!?わ、私とウソップくんは知り合いで、兄弟とかそんなんじゃ……」
少し離れたところにいたそげキングとじりじり距離をつめていくと、その分だけ後退りするそげキング。様子がおかしい。知られたらマズい事があるって事なの?
「でもウソップの気配とすごく似てるの」
「そ、それは!む、昔から私とウソップくんはよく似てると言われてきたからなァ……」
「へー、じゃあウソップじゃないの?」
「わ、私の名はそげキング!!だ!」
「リリナちゃんそんな奴構わなくていいよ」
「そう?」
サンジくんが話してくれた作戦は、この狭い中で囲まれたら厄介だからって列車の接続部分を離して、数を減らすんだって。
さっそく行動に移したら、とても簡単に引っかかって一番後ろの2車両を離せた。残りは5車両。多く感じるけど、乗ってる人はさっきの2車両よりだいぶ少ないみたいだから楽勝かもね!列車の中に乗りこんで向こうから仕掛けられる前に倒していく。
「"
「そげキーング"
「"ヴィントシュトース"」
「"ストロング
人差し指を立てて狙った相手に向けると渦を作った風が人を巻き込んでなぎ倒されていく。のを見てたら隣で変な人の腕が伸びてびっくりした。腕が伸びたんだけどルフィとは違う伸び方っていうか目を離してたからよく見えなかったけど、とにかく肌色じゃなかった!驚いてるあたし達の前に変な人が出てきて、敵が撃ってきた銃を体で防いだ。どういう事なのこれ!なんで痛くないの!?
「おいお前一体何なんだ!!」
「あ?ああ、おれはサイボーグなのよ」
「サイボーグ!?」
「体内に鋼鉄や兵器が仕込んである。撃たれりゃ多少痛ェし血が出る事もあるが、まァ効きゃしねェ」
「……そんな事があんのか。世界は広いな」
今まで何にも違和感を感じなかったくらい見た目は普通なのに。いやこの人自体は普通じゃないけど、そうじゃなくて生身の人間だと思ってたって事でさ!
「すげーー!」
「いだーーっ!!何してんだてめェ!」
「え!針くらい効かねェんじゃ」
「このボケ!おっそろしい実験コーナー始めやがって!じゃ先に言っとくが背中は違う!!いいか!この改造はおれ一人でやったからよ後ろの面は手が届かなかったんだ!前半分が
「あはははは!」
「笑うな!」
そげキングに針で刺されるとすごく痛そうに涙を流してる顔が面白かった。そんな欠点があったなんてそりゃ笑っちゃうよ。おまけにお腹からコーラが出てきた。お腹の中どうなってるの?胃は?腸はどこにいったの?そんな疑問を残したまま気を取り直して次の4車両目に進んでった。
「ワンゼだよーん、ワンゼだよーん、マッドなマッドなワンゼだよーん!」
中にいたのはこれまた変な顔の人で、すいすい車両の中を走り回ってる。とっつきにくくて何て言えばいいのか分からない。
「おっすお前らっ!ハラ減ってる!?おれはワンゼ!給仕長だから何でも作れるよラーメンにする!?」
「……」
「じゃラーメンにするけど、その前に一つ知っといてほしい豆知識があるんだよね。おれの鼻毛は!こう、中で網状に、網タイツみたいになってるって事ね!」
勝手に話を進めて、しかも小麦粉を口の中に入れたと思ったら鼻から麺になって出てきたし、この人すごい人なんじゃないかと思う。警戒するに越した事ないよね。とにかく今までとは別格って事だから気を引き締めなくちゃ。
「時間をムダにした。ワンゼ、俺たちは人を待たせてる。先を急ぐんで……じゃあな」
「待てーー!!この車両を通り抜けたければ!おれを倒してから進め!!」
変な顔すぎて表情が読み取りにくいけど、とにかくやる気はあるみたいだ。