バレンタインチョコをキミに…(ダンデ)

前日憚L●NE直後


ー☆ダンデが
ソニアとルリナを招待しました☆ー


ル:え、何このグループ
ソ:ちょっと、ダンデくん突然何?

なんの説明もなく招待してすまない
2人にお菓子作りを教えて欲しいんだ


ソ:え!?本当に突然何!?
ル:チャンピオンの料理のできなさは、
  ガラル中で有名なんだけど!?

だからこそキミたち2人に
  教えてもらいたいんだ
ファンにも、
  『好きな人に贈る手作りレシピを送ってくれ!』って書いたら
「誰かにあげるんですか!?頑張ってください」
という手紙と共に沢山のレシピが届いた。
それを元にオレでも作れるお菓子を
  作りたいんだぜ


ル:ねぇ、それってまさか…
ソ:まさかのまさかだったりする?

そのまさか、だ。
さっきのグループラインで思ったが、
オレが動かないと
何も進展しなさそうだぜ…
だからオレは動くことにした!
  ナマエを掴み取るために!!


ソ:そんな、「勝利を掴み取るために!」
  みたいな感じで言わないでよ(笑)
ル:でもまぁチャンピオンらしいわね
ル:いいよ、一肌脱いであげる
ソ:その代わり、徹底的に叩き込むからね!ル:ナマエに毒物なんて食べさせられないもん

ありがとう!!恩にきるぜ!!!



バレンタイン当日

ーいい?絶対に今日は迷子になっちゃダメだからね!!ー
そうソニアとルリナに念を押されてアーマーガアタクシーに押し込められた。

向かう先はナマエとの待ち合わせ場所。彼女は、今日はいろんな人にチョコを配ると言っていたが、オレからのお願いで、オレに配るのは1番最後にして貰ったのだ。もちろん迷子になる可能性があるからではない。今日この日のために、何度もソニアやルリナたちと練習してきたチョコレートを作る本番のためだった。

何度も失敗し、「なにをどうしたらこうなるの!?」「もはやここまで来れば奇跡だわ…いい?ここはこうして…」などと呆れられながらも丁寧に教えてくれて、ようやく作れるようになったチョコレート。

そのチョコレートは今、自分の膝の上にある。こんなに料理を頑張ったのはいつぶりだろうか…いや、きっと人生で初めてかもしれないな…などと考えていたら、あっという間に待ち合わせ場所へと辿り着いた。


そこには既に長年恋い焦がれていた彼女が立っていて。遠くから見ても可愛らしい彼女にダンデの心はざわめきはじめる。

『あ!ダンデくん!』
「もう来ていたんだな。待たせてしまったか?」
『ううん!大丈夫だよ。今日は迷わなかったんだね』
君と確実に会うためだぜ、とは口が裂けても言えなかった。

「そういえば、チョコレートを配るのはもう終わったのか?」
チョコレートと言葉にするだけで、自分がチョコレートを持っていると言うことを再認識するようで、少しずつ緊張してくるのが分かる。

『うん!バッチリだよ!』
「そうか」

ますます自分が渡す番だと思い、変に汗が出てくる。もしいらないと言われてしまったら?ひかれてしまったらどうしようか…などと頭をよぎったが、
オレはチャンピオン。なんでも勝利を掴み取るんだろう!?ともう1人の自分が奮い立った。

「ナマエ」
『どうしたの、ダンデくん』
「今日、オレと会うのは全員の最後にして欲しいって言った理由、わかるか?」
『?午前中何か予定があったとか?』

「あながち間違いではない。でもな、ナマエ。オレは今日という日をキミと過ごしたいと思っている」

そういい、チョコの入った包紙を差し出す。

『え?ダンデくん?これ…』

「いわゆる逆チョコだ。長年キミのことが好きで、いつかオレを見てくれないかと待っていたのだが…
オレが動かないと、きっとキミはオレを意識してくれないだろう?」

え?どうして?と状況が飲み込めないナマエに、


「キミが好きなんだ。付き合って欲しい」


とハッキリ伝える。
伝えた途端ナマエは驚いた顔で固まってしまった。
あまりにも驚いた顔をするものだから、先ほど奮い立たせた気持ちに自信がなくなり、
「困らせてしまったか…すまない…」とチョコレートを引っ込めようとした時、

『ダンデくん』
と名前を呼ばれる。

そのままナマエはカバンの中から、明らかに手作りであろうチョコレートを差し出し、嬉しそうに笑った。

『ダンデくんと、お揃いだね。手作りなのも、気持ちも』
そんな彼女が愛おしくて、思わず抱きしめる。もちろんチョコを潰さないよう力加減はしたつもりだ。

「今日一日、一緒に過ごしてもいいか…?」
『勿論だよ。今日一日だけじゃなく、沢山の時間を一緒に過ごそうね』

そんな可愛いセリフを言う彼女に堪らなくなって、ダンデはキスを落とした。

→番外編(ローズ)
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