「…で、オネェさんは?」
「▲▲って言います」
「▲▲チャンね」
新開が持ち前の男前で引っ掛けてきた女の子の片割れは、何故か俺が名前を呼ぶと少し頬を赤く染めた。
いつにも増して強い日差しは▲▲の身体をジリジリと焼いている。元から少し焼けていたらしい肌に纏った真っ白な水着は正直かなりタイプだった。今朝急に新開に海に誘われた時は面倒だと思ったが、▲▲とどうか成らなくても目の保養として来て良かったと思う。
「友達あっちだけど、大丈夫?」
既に新開にメロメロって具合の▲▲の友達は、砂浜で今にも唇が引っ付きそうな距離で話し込んでいる。
「荒北さんが私と遊んでくれるなら大丈夫です」
「…どういう意味、それ」
「え?あ、いやっ、1人は嫌だなって」
「あ、悪りィ」
「え?」
「悪り、大丈夫」
つい自分に都合の良い考えが頭に浮かんで、ふるふると首を振って掻き消す。遊ぶって言葉を紛らわしくしたの誰だよ、まじで。
「▲▲チャンも新開と仲良くなりたかったんじゃねェの?」
「はい、私は荒北さんと仲良くなりたいです」
「…お前狙ってる?」
「何をですか?荒北さんをですか?」
「荒北さんをって言うか…」
「荒北さんのことなら、狙ってますよ」
「▲▲チャァン……」
いつの間にか懐に潜り込んだ▲▲は俺を見上げてゆっくりと首に手が伸びる。
こんなにも積極的に来られるのは初めてで、正直戸惑っている。それと同時に、今までにないぐらい欲情しているのも事実だ。
「俺の部屋、寄る?」
▲▲は満足そうな笑顔を浮かべて頷いた。