なんだかんだで気付けばもう数年経っていた。
イルミさんの短かった髪は今では私より長い黒髪さらさらロングに化け、そこら辺の女の子よりよっぽど美人なのだから私が密かに内心ばちくそ興奮したのは言うまでもない。

もう見慣れた執事さん達の中で最近の私のオキニはアマネちゃん。
すっかり仲良くなった弟君達の中ではカルトくんがずっと愛い。
キキョウさんは年々色気がましましで相変わらず私の中で殿堂入り。

なんてまぁそこそこ義家族とは仲良くやれていると思う。てっきり成人すればすぐに結婚するものかと思っていたが、御家の跡取りが弟のキルアさんになった手前、イルミさんの優先順位は彼の教育が今は第一のようだ。
正直な所、私としても別にいつ嫁入りするかなんてどうでもよかった。別に今後の決定事項として受け入れてはいるけれど彼の子供を産みたいなんて願望はないし、出会いが10代だったのもあってか婚前でも普通にセックスしてたから性欲はそこそこ満たされてるし、キキョウさんは結婚を延期されている私に負い目があるのかこの頃は更に優しいし、このまま入籍せずにだらだら続けたほうが楽だよねぇ。なんならその内どちらかが仕事途中で死んだらもっと楽だよねぇ。なんていうのは決して人に言えない本心である。


「そういえば、」

そして今はベッドの上で彼に跨り首筋に口付けを落としながら服を脱がせていた最中だったりする。
何かを思い出したような場違いな声色に思わず手を止めて彼を見た。

「どうしました?」
「いいもの見せてあげるよ」

そういって彼は徐に針を一本取り出すと自身の胸の辺りにぐぐぐっとゆっくり刺した。
何をしているのだろうか。まさか自分で自分の自我でも飛ばしてキメセク紛いなプレイでもしだすんじゃあなかろうな、とつい身構える私の嫌そうな顔に気付いたのか「▲▲も気に入ると思うけど、」と言ったイルミさんの声がなんだか妙に高く感じた。

え。


え?


「どう?」


え!?


ゆっくり、ゆっくりとイルミさんのそこそこ厚い胸元がなんだかふわふわしてきたと思えば、そこに出来上がったのは二つの丘。丘ってか山。嘘だろ、え、嘘だろまさか。

「いいいいいいイルミさん???」
「顔変える応用で試してみたんだ。どう?」

そっと服の上から鷲掴みしてみればそれは間違いなくおぱい。
念の為、両手でも鷲掴みしてみる。
間違いない、ぱいのそれだ。

「▲▲?」

私を呼ぶ声にはっとして顔を見ればイルミさんだけど顔も声もそこにいるのはどう見ても女で。

私の中で何かが弾けた気がした。

「いやでもほらもしかしたら違うかもしれないし?他の所も確認しないと、ほら、違うかもしれないし?そうでも大変だけど間違ってたらそれもそれで大変だし?」
「お前ずっと何言ってるの?」

眉間に皺を寄せるイルミさんだがその顔も今は可愛らしい。

「ちょっとだけ。ほんとちょっとだけなんで」
「▲▲?お前、待っ」

ぶかぶかになった服の中に手を這わせ私は彼女口付けながらベッドへと押し倒した。
その後ベッドから出てこれたのは次の日の昼過ぎで。
婚約してよかったと思ったのはこの数年間で初めての事であった。ちゅんちゅん。