幼い時から、両親の仲が良いという特需で3つ隣の家の姉ちゃんに遊んでもらっていた。5つも歳が離れているせいで、いつも俺のことをガキ扱いしてくるのが難だが、俺はずっと昔からこの姉ちゃんのことをーー。
「ねぇブン太、これで彼女とでも遊園地行って来なよ」
部活が終わって自宅へ帰ると、▲▲姉ちゃんが我が物顔で俺の家のソファで踏ん反り返っていた。
「なに、どうしたのコレ」
「懸賞で当たった〜」
「まだ懸賞してんのかよぃ」
「いーじゃん数独得意なんだよ。そんでこれ当たって彼氏と行こうと思ってたけど別れたからやるわ」
なんだよそれ、と言いかけてやめたのは、▲▲姉ちゃんに彼氏がいたという現実が気に入らなかったことを悟られたくなかったからだ。チケットをあげると言われているのに不満足げな返事なんかしたら、絶対に絡まれる。
「ふーん。じゃあ俺が▲▲姉ちゃんと行ってやるよ」
「なにこのクソガキ偉そうなんですけどー」
愉快そうにパチパチと手を叩きながら笑われたのは中々気に入らない。
「アタシはいいから彼女と行ってきなよ」
「別に彼女とかいねぇし」
「あ、そっか。まだ中学生だもんね」
「…そういう問題じゃねぇし」
何モゴモゴ言ってんの?と言いながら、俺の母親にだってさー!といらない報告をしている。すると母親からの折角だし2人で行ってくれば?という思わぬ援護射撃にどきりと心臓が鳴る。
「えー!アタシとブン太2人でってアタシがヤバい人みたいになんない?」
「▲▲姉ちゃんは元からヤバいやつだから大丈夫だろぃ」
「ねえなにそれコイツムカつくんだけど」
ムカつくと言いながら笑っている▲▲姉ちゃんはやはり誰と比べても敵わないほど綺麗だと思う。
「えー。……じゃあ行く?」
「部活、今月までだから来月からならいつでもいいぜぃ」
わかった、来月ね。という▲▲姉ちゃんはどことなく嬉しそうに見えたが、それは俺の願望なのか…?たまんねー!と叫びそうな気持ちを抑えてスカした態度で風呂に逃げた。
風呂から上がった頃にはもう▲▲姉ちゃんは自宅へ帰っていて、そこにはニヤニヤと笑う母親の姿だけがあった。お前、確信犯か。