▲誘導のような

「それにしても、コッチの夏はほんっまに暑いのぉ」
一護にフラれた昼休みは、教室で飯を食いながらその辺りにいる奴らと過ごしている。最も、ラッキーな事にその辺りに可愛い女の子も居たから、仲間に呼ばれているところを、まあまあええやん偶には。と引き止めて俺の隣に座らせている。
「関西はもっと涼しい?」
「いんや…もっと暑いわ。暑いっていうか…暑苦しい」
「なにそれ」
周りのやつらと一緒にケラケラと笑う彼女はキラキラと輝いていて、青春という言葉が脳内を駆け巡っていた。
「でも、私大阪行ってみたいな」
「俺の両親に挨拶してくれるんは嬉しいけど、まずはお付き合いからやね」
「別にそういう意味で言ってるんじゃないけど」
「▲▲チャン顔赤こしてかわええやん!」
「平子ッ!」
周りの男共からグーを3発ほど喰らった頭はジンジンと痛みが疼いている。
「冗談やんか」
「困らすなって」
「困らせたかったんちゃうもん」
そろそろ教室にクーラーをつける程度のことを義務化したほうがいいと思う。ミンミンと叫ぶ蝉の声とこの気温は、頭をバカにさせる。
「でも▲▲ちゃんって彼氏おんの?」
「強メンタルだな、お前…」
そらそうやろ、お前らよりながーく生きてんねんから。なんてね。
「やって気になるやろ。▲▲ちゃん可愛らしいし、おらへんねやったら俺にもチャンスあるってことやん。なあ?」
「な、…なあって言われても…」
困ったように視線を泳がせて頬を赤く染めるこれは、本当に”アリ”なんじゃ?
「おんの?」
「…いない、けど」
「ほんならええやん!一旦俺と付き合うてみようや」
ゴン、とまた3回頭がジンっと響いて、コイツらが拳を落としたことを悟る。
「なんやお前ら!嫉妬か!」
「嫉妬じゃ!1人抜け駆けしやがって!」
「なんやと!?お前らみたいなモテへん男と一緒にすなよ!」
「●●さん、気をつけた方がいいよ。コイツ多分誰でもいいだけだから」
「そんなわけあるかいな!余計なこと言うなや!」
「チャラい男は苦労するよ…」
「チャラないわ!やかましいねんお前らもうあっち行けや!」
「ふふ、」
「わろてる場合か▲▲ちゃん!彼氏がいじめられてんねんで!」
「告っただけで彼氏面すごいな!」
「ああ?俺がお前の彼氏でええやろ、▲▲」
「っ、…うん、」
コイツらは無理やりうんって言わすな!だとかなんだと喚いているが、俺には伝わっている。▲▲、ほんまに俺のこと好きやん。