▲大作戦

コンコンと扉を叩くと、不機嫌そうな声で誰だと返事が来たので遠慮なくその扉を開き中にズカズカと入っていく。その先に居た赤髪の見た目は少年のおじさんは鋭い視線で私を一瞥して、お前か。と一言吐いて傀儡弄りに戻った。
「手伝って欲しいの」
「事による」
「デイダラを惚れさせる作戦」
「却下」
はあ。と面倒そうにため息を吐いて、シッシッと手で出て行けと払われる。
「やだやだお願いお願いサソリさんしか居ないのお願いほかの誰にもできないことなのお願い」
「嫌だ」
「え、何もしかしてサソリ私のこと好きなの?だからデイダラとくっつけたくないってこと?」
「……何をしたら良い」
「ちょっと傷付くんだけど」
不機嫌なままのサソリの手を引いて居間へ行くと、タイミングよくデイダラはそこに居てどうやら飛段と飲んでいる様だった。私達のことに気がついているのかどうかすら怪しいぐらいに盛り上がっている二人を他所に私はサソリの手をスリスリと摩る。
「おい、お前」
「しっ!何も言わないで」
人差し指を唇に触れて黙る様に指示すればサソリは大人しく言うことを聞いてくれた。そんな私達の姿に気が付いたのか、デイダラがこちらを見ているのが横目で確認できた。
「サソリは傀儡っていうことは体温がないの?」
私は至って自然な流れを作ってサソリの唇に自分のそれを触れさせた。絶句するサソリに、へへっと笑えば血相を変えたデイダラがドンドンと足音を立てながらこっちに来て、私の頭を引っ叩いた。
「痛いっ!」
「何やってんだお前ェは!うん!女が節操ねェことしてんじゃねェぞ!」
こっちこい!と声を荒げて私の手を引っぱるデイダラに連れられた先は彼の部屋で、乱暴にベッドに引っ張り投げられた。
「わざとやってんのかお前」
「わざとっていうか」
ベッドに倒れ込んだ私にじわりじわりと寄ってきてまるで組み敷かれた様な情景に鼓動が早くなる。
「な、なんでデイダラに怒られなきゃいけないの!」
「あ?そりゃお前のこと好きだからに決まってんだろ。つーかお前もオイラのこと好きだったんじゃねェのかよ、あぁ?」
「えっ、そっ、そうなの?」
「信じらんねェか?分らせてやらねェと」
歪に口角を上げたデイダラはいつもと全然違う男の顔をしていて、かなり妖艶だ。荒らすように口付けを落としたデイダラの手が服の中に侵入する。
「で、デイダラ、」
「あー?」
「……わたしも、すきだよ」
「このビッチめ」
荒い言葉とは反対に、デイダラは満足げに笑った。