▲choose me





「あのさー、お前選ぶ男センスなさすぎ。聞いててイライラしてくんだけど」
「そんなこと言わないでよだって私だって優しくて素敵な彼氏が欲しいけどだって」
「だってだってじゃねーの。俺は エース、エース、好きな人できたぁ〜! のキラキラしたお前から話聞いてる時点でまた引っかかってんなって教えてあげてたでしょー」
「だって」
「だってじゃない」
やれやれ、と首を振って手元のビールを流し込んだ。あー、やだやだ。何が楽しくて好きな相手の恋愛エピソードなんて聞かなきゃいけないんだ。俺がお前でシコってる時にお前は他の男に抱かれてたんだなーなんて改めて自覚させんなっての。
「でもさでもさ、最早これは私のチョイスじゃなくて世の中の男の質の問題じゃない?!」
「優しくて最適な男もいると思いますよー?」
「いやぁ、私トレイ先輩はちょっと…なんていうか、波長が合わなさそうというか」
「トレイ先輩は多分お前が思ってるほど良い男じゃないような気がするけど」
「え〜?優しいじゃん」
「優しいが全てじゃないでしょ、」
もう詰んだ、私の恋愛もう詰んだ!と暴れる▲▲にはい、とビールを差し出せば一気に飲み干した。
「自分で言うのは何だけど、俺結構優しいと思うんだけど」
「優しいだけが全てじゃないらしいですよ」
「ユニークさも兼ね備えてる」
「何のサジェストが始まってんの、うける」
うけんなよ。人が真剣に言ってんのに。なんてことは言えない。ヘラヘラと笑うだけが精々。
「エースみたいな人を選べってこと?」
「みたいなっていうか俺も男だけどね」
「ねぇ酔いすぎじゃない?自分が何言ってるかわかってんの?」
「わかってる」
前言撤回する。やっぱりヘラヘラ笑うだけで流すの、もうやめる。もうこれ以上のチャンス巡ってこない気がした。
「え?」
「わかってる。▲▲、俺選んでみたら?」
「え、え?」
「わかる、お前の気持ちは十分わかる。びっくりするよなーそりゃびっくりする」
「どうしたのエース」
「どうもしてない。ただちょっと痺れが切れた感じ」
何のこと、と言う唇に唇を押し付けた。
「ねぇ、どう、なし?」