「なあ頼むわ!もう簡単なことやんか!コチラ平子真子さんですぅー言うて会わせてくれたらそれでええねん!それだけでええねん!」
「必死すぎる所が余計にキモいねん」
「そんなんええねん、お前がどう思おうとどうでもええねん。俺はぁ、▲▲ちゃんに会いたいねん」
「会ってどないすんねん」
「そらお前結婚を前提にお付き合い申し込むやろ」
何真顔で言ってんねん。と呆れたご様子でやれやれと首を振るひよ里はベンチに荒く腰を下ろすと、偉そうに腕と足を組んで俺を睨みつけている。
「▲▲はまだ入ったばっかりやねんぞ。お前みたいなキッショい隊長に呼び出されたと思ったら告白されて、そんなんもうセクハラやで」
「誰より幸せに出来る自信があるねん」
「どこから漲ってくんねんその自信」
「俺かて前から目付けてたんや!けどなんでかしらんお前に懐いてもうたから十二番隊に所属してもうて…今は苦労してることやろうし俺のこの持ち前の明るさで」
「やかましいねんお前!お前ほんまに会わせたらんからな」
「勘弁してぇな、なぁひよ里ぃ、頼むわ」
「お前は何を焦ってんねん。もうちょっと▲▲が落ち着いた頃にしたれや」
「いやや!絶対目付けてるの俺だけちゃうもん!」
「そないに余裕のない男なんて▲▲はイヤなんちゃうか?」
「それは…、」
「……ま、気が向いたらいつか会わせたるわ!」
気が向いたらな、と念を押して立ち上がると、ケツを叩いて砂を払う。ほな!と愉快そうに右手を挙げて隊舎へ戻ろうとするひよ里はほんまに優しさのかけらもない女やと思う。
「あ!真子!」
「なんや」
「▲▲、"平子隊長って素敵ですよね"言うとったで。見る目ないよなぁ」
もう一度「ほな!」と言うと今度は本当に行ってしまったらしい。
最後の置き土産を鵜呑みにしてニヤニヤと自分でも気持ちの悪い笑顔を振り撒きながら俺も隊舎に戻ることとしよう。