▲ ただ昼飯に誘われるだけの話

「あー、腹減った」
「……平子隊長、それは遠回しにお食事をお誘いいただいていますか?」
「あーいや…ただ腹減ったから言っただけやけどそれでもええわ。ほな飯でも行こか」
「はい!私今流行りのさむぎょぷさるとかいうものが食べたいです!」
「あ?なんや?さむ?なんて?」
「さむぎょぷさる、です」
「なんやねんそれ。ええけどどこにあんの」
「あの駄菓子屋の角を曲がったところに新しく店ができたそうです」
「ふーん、ほな行こか」
平子は両手を着物の袖に入れ込んでそそくさと駄菓子屋の方へ向かう。
「隊長って日頃何食べてるんですか」
「何って…▲▲とそんな変わらへんよ」
「その芸術的で真っ白な歯でお肉食いちぎるんですか?」
「それ褒めてんのかバカにしてんのか先に聞いとこか」
冷めた目でぎろりと▲▲を睨んだ後、ここかいな?と▲▲の返答を聞く間もなく駄菓子屋の角を曲がる。
「うわ!こらあかんわ、むっちゃ並んでるやん」
「え〜、ダメですか?」
「ダメですかて▲▲お前、これ並ぶん?次間に合わへんよ」
「やっぱりそうですよね」
「そないしょんぼりせんでぇな。次の非番の時連れて来たるから今日はあっちの定食で我慢せえ」
「いいんですか〜!じゃあ夜行きたいですぅ」
「お前は飲みたいだけやから昼しか連れて行ったらんねん」
「やだやだ平子隊長と飲みたい〜」
「酔うと色々厄介やからあきませーん。ほらポチ、行くで」
「ポチてなんですかポチて」
少し先にある定食屋へ向かう平子を▲▲は小走りで追いかける。