アラームの音が鳴り響く。隣ですやすやと寝息をたてる▲▲は微動だにせず、どうやらこの音がまるで聞こえていないらしい。
「ほんまよう寝るなぁ」
そんな俺の一言さえ届くはずもなく、相変わらず▲▲は動く気配すらない。
ベッドから出て顔を洗ってから水を飲んでいると、どうやら起きたらしい微睡んだ表情でぼーっと俺を見ている。
「おう、起きたんか」
「んー、、」
「目開いとるだけやな」
「おきた」
起きたと言う割に動こうとしない▲▲の隣に戻ると、眉間に皺を寄せながら擦り寄ってくる。
「なんや」
「大っきい方のペットボトル直飲みしないでってば」
「小言かいな」
文句を言うだけ言った▲▲は満足そうにまた夢の中へ戻ろうとしているのか、瞼を閉じる。
「▲▲また寝るんか?」
「んー、」
「今日お出かけするんちゃうかったん」
「んー…する」
「ほな起き」
「……」
「置いてくで」
「それは真子が楽しくないと思う」
「ほな起き」
「んー」
不満そうに眉間に皺を寄せたまま背中を丸めて布団に潜り込む。
「いじわるすんでー」
▲▲を覆い隠す布団を捲り上げると、うー、と犬の様に威嚇を始めた。
「しんじ、きらい」
「おまっ!そう言う事言うなや」
「さむい。しんじのノリもさむいし」
「なんやお前ほんまええ加減にせえよ」
いー!と歯を見せてくる▲▲は本当に不服そうである。
「あーあ。折角朝飯連れてったろ思っててんけどなあ」
「わーい!」
飛び起きた▲▲は小走りで顔を洗いに行く。
「ほんま…ゲンキンなやっちゃなあ」
「ね、シナモンロール?」
「歯磨き終わってから戻ってこい。危ないから」
「はーい」