▲ギブミートキメキ

「真子、最近私ドキドキが足らないと思うの」
「なんやねん。急に」
「うん。だから、ドキドキが足らないって言ってるの」
「ドキドキてなんやねん」
「えー?…んー、じゃあときめき?かな。トキメキ!」
「……浮気は許さへんで」
「真子はバカなの?自分がときめかせてあげよう!とかないの?」
「なんやねん。具体的にどうしたらええの」
「ハイ、そういうところがもう馴れ合いになってる」
「やっかましいなぁこの女」
面倒臭そうに目を半開きにして左右に首を振るこの男は”釣った魚にはエサをやらないタイプ”である。時折、男選びを間違えたかもしれないとさえ思う程度には。(しかしあまりにも顔が好みすぎて話にならない)
「冷たくなったよね」
「あーハイハイ。ほんなら、」
真子がやれやれとため息を吐いた後、私の視界は一転する。
「これでええの?」
「いやっ、…ちょ、」
「ちょ、やあらへん」
両手首を掴んだ左手は私の頭上に固定され、綺麗な顔がゆっくりと近付いた後はちゅ、とわざとらしく音を立てて唇が重なる。
不覚にもときめいては、いる。
「これでええんかって聞いてんねん」
「真子、ちがっ、」
「まだ足らへんの?▲▲も好きやなぁ」
器用な右手はゆっくりと胸元をはだけさせる。そこへ熱を帯びた真子の唇が触れる。
「真子っ、」
「なあ、合ってるやろ?」
「そういうことじゃ…」
「ふーん。ほなやめてええの」
私の答えはまるでもうわかりきっているように、にやりと卑らしい笑みを浮かべるこの男は本当に罪深い。


「……ダメ、」
「素直でよろしい」