▲The Ugly Truth


朝早く起きて余裕を持って支度して、洒落たあの店で軽くブレイクファストをして、 話題の映画を観に映画館へ足を運んで、今期の新作の靴を見に行って、 人気のあの店でランチをして、運動がてら軽く散歩をしながらコーヒーをテイクアウトして、 夜は彼の時間が許すなら久しぶりに手料理を振舞ってもいい。

多忙な彼が月末仕事終わりに泊まりに行く、翌日は一日空いている。と聞いた先月から私はこの完璧なプランを練りに練っていた。 只でさえ会える頻度は少ないのだ。1秒たりとも無駄にせず満喫してやる。
そう息巻いていた私の決意はぼんやりと目が覚め随分と明るい視界に全てを察した瞬間無駄に終わったと気付く事になる。まさかまさかと枕元の時計を見れば既に午後二時すぎ。いやもう寝すぎ。 ぐああと情けない声を上げながら再度枕に顔を埋めれば隣から「おはよ」の声。顔を横に向ければこちらを見ているイルミと目が合った。

「起きてたの?」
「うん」
「起こしてよ」
「どうして?」

休みなのに、と不思議そうな顔でこちらを見るものだから昨夜さんざん話した今日の予定をこいつは聞いちゃいなかったのだろう。 むかつく。じとーっとわざとらしく不機嫌な顔で彼に無言の圧を送れば「不細工」と伸びてきた手が私の頬を撫でた。

「あーあ、予定崩れた」

その手から逃げるように私は身を翻すと彼に背を向け、恐らくベッド下のそこら辺に落ちているだろう羽織りを手探りで探す。 今からどうしよう。シャワー浴びて、お腹も空いているしご飯食べ行きたいけどランチタイムは過ぎているなぁ。 そう考えていると不意に私は肩を捕まれぐいっとベッドへ引き戻された。 何事かと目をぱちくりさせれば目の前には近付いてくるイルミの顔と天井。
おっと、これはこれは。

「今から?」
「だめなの?」

小さなリップ音を立てながら私の首筋に唇を落とし始める彼に「昨日も散々したじゃん」と眉を望める。 「おかげで寝坊して今日の予定崩れたんですけど」私の言葉を無視して彼の手は止まらない。「一緒に色々行きたかったのに」私の文句も止まらない。腹が立つ。そもそも起きていたなら起こしてくれればいいのに。 イルミの馬鹿。大体昨日もこっちがやめてと言っても止めてくれないし何回するんだって話だしねちっこいし気を失うまでするかね普通。 あと普段会えないくせに無駄に束縛激しいし、自分は連絡返さないのにこっちが返せてなかったらすぐに怒るし。 気に入らなかったら針刺そうとするしモラハラじゃんくそじゃんサイコじゃん。

「▲▲」
「なによ」

「うるさい」

それから結局目が覚めると外はもう夕方で。
不貞腐れる私に彼が「レイトショーなら間に合うよ」なんて言うものだから即座に上機嫌になる私の鳴呼なんて単純な事。

ポップコーンとドリンクはLLサイズ買ってよね。