なつがっしゅく! vol.3

「おいおい、むさ苦しい男ばっかりかと思ったら、でーじちゅらさんいなぐいるやっし」
「ちゅら、?いなぐ…?」
「凛って呼んで」
「凛くん」
「可愛らしくて鼻血出そうよ」
凛くんは浅黒く焼けた肌に真っ金髪という不良のような出立ちとはまるで反対の、幼く可愛い笑顔を浮かべた。
「おいこらあかんでー」
「白石先輩」
眉間に皺を寄せた白石先輩はのそのそと私の隣へ訪れると、私の頭を肘掛けのように使い、凛くんを睨みつける。
「これ、俺の女やねん」
「あ、違います」
「悲しいわなまえ!違いますやあらへん」
「本人が違うって言ってるやっし」
「はい、違います」
「無理強いは良くないさー」
「無理強いちゃうわ」
「なまえちゃん、変なことあったらわんに言えよ。助けてやっから」
「かっこいい、ありがとう凛くん」
「なまえお前!俺にもかっこいいとか言ったことあらへんのに、こんなぽっと出の男に言うたあかん!」
「なまえちゃん泳げる?」
「少しだけ」
「え!なまえ泳げへん言うてたやんか」
「今日終わったらちょっとだけ一緒に泳ぎに行こ。いいとこあるんさ」
「楽しみ!」
「なまえ!泳げへんから夜一緒に泳ごなって、約束したやんか」
「白石先輩、冗談やないっすか」
ほな始めるでー、と顧問の声が響き、私たちはわらわらとコートへ向かう。
なんか、わくわくしてきた!


main * JACKALOPE