ドラゴンと共に。

僕という存在について2



@dragon storm_241
【歌ってみた!】
〈千本桜のサビ〉


ある日突然放り込まれた爆弾。
文字通り、キバナのツイートは爆心地となった。
ファンが死んだ。ポケッター内で大量の墓を見掛けた


────たっつんの千本桜、だと…?


恐らく僕はスペースニャース顔になっていただろう。
えっ、声…おま、声…中の人…たっつんかよ……良い声だとは思ってたけど…てか何で気付けなかったの僕…?
好きだったじゃん…?推しはこにたんとたっつんだったじゃん……????
これは幾らショタ声だからって見逃せる案件じゃないのでは…?????
驚きのあまり動けなくなった僕のスマホロトムが着信を告げる


「電話ロト!キバナからロ!」


『出て。…もしもし?』


《もしもし、ポケッター見た?》


『今見てた…恐ろしいまでの拡散……』


《曲調好きだったから歌ってみたら良い感じでさ、上げてみた。どうだった?》


『大変お上手です…好きです…』


《フフッ、歌まで歌えるとかオレさま完璧では?》


『完璧です……ありがとうございます…ありがとうございます……』


《ありゃ、バグったな?キバナ様全肯定botになってる。オマエほんとオレの事好きなー?》


なぁオレさまのハニーパイなんて楽しげな声が耳許で踊る。やめてください死んでしまいます。
そもそもこの顔面600族が幼馴染とか前世でどんな徳を積んだの?思い出してる限りそんなに目立って良い事はしてないよ?至って普通だったもの。


《あ、オレのツイート見て早速レコード会社が数件コンタクト取ってきてる。幼馴染が作った曲ですってちゃんと言っといたからな》


『えっ』


《話が纏まったらまた伝える。まぁ悪い様にはしないから安心しなよ》


『えっ』


《じゃあまたなオレのスウィーティー》


『えっ』


後半鳴き声の様にえっしか言えなかった電話はぷつりと切れて、ロトムはふよふよと浮いていた。

prev next
Back to main nobel