第二章
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これが、呪いの人形?」
清継の家に着いた私たちは早速例の人形をみた。人形は典型的な日本人形で、可愛らしい着物を纏っているがいささか雰囲気がおどろおどろしい。
―付喪神でも憑いてそう・・・―
付喪神は古い歴史書にも時々出てくる結構メジャーな妖怪だ。
なんとなく人形と目があった気がした。
『憎い、憎い、人間が憎い、私が何をした。なぜ私を捨てる。憎い、憎い、呪ってやる』
一気に負の感情が流れてこんでくる。清継が読んでいる日記を聞きながら、私は静かに涙を流した。この子は悲しかったんだ。必要とされなくなって、捨てられて、苦しくて、悲しかったんだ。だから人間が憎いんだ。それは憎んでも仕方がないかもしれない。
人形の雰囲気が一変にますます恐ろしいものに変化した。
「滅!!」
しばらく負の感情に流されて放心していた私にはゆらちゃん(道中にそう呼んでと言われた)のこの一言しか聞こえていなかった。
「藤ノ宮さん大丈夫?怪我ない?」
「うん。大丈夫。」
「でも、涙が・・・」
「なんでもないよ」
―あぁ、あの子はゆらちゃんによって消されてしまったんだ。―
漠然とそう感じた。悲しくて悲しくて仕方がない。一刻も早くここから立ち去りたい。
ふと腕時計を確認すると、16:45を指していた。
「ごめんワカメ。私そろそろ17:00だから帰るね。」
「え!?藤ノ宮君!?今いいところ「ごめん」
ちょっと感じ悪かったかもしれないけど、これ以上あそこにいると本格的に涙腺が決壊しそうだ。
人形の想いに押しつぶされないように必死に走って家まで帰った。
感じとった悲しみ
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