「こちらが私の恋人のジョルノくんです」

ナマエが満面の笑みを浮かべて、隣のガキを紹介した。

「ナマエ、こちらの方は?」
「私の上司にあたる人だよ」

ばったり出会って、ナマエの提案により、バールで一緒に食事することになった。「兄貴に私の恋人を紹介しますね」なんてマジに笑えねえ冗談だ。今日はエイプリルフールじゃあねーんだぜ。たちの悪い冗談であってほしいと願ってはみるが、きっとそれは本当のことなのだろう。ナマエは嘘をつくのが下手くそな人間だ。それにこのナマエの嬉しそうな顔、こんな顔をしているところをオレは今まで見たことがねえ。ああ、何でか理由が分からないが腹が立つ。チッとナマエに分からないように舌打ちしたつもりが、ジョルノとかいうガキに気付かれて睨まれた。こんなコロネ頭のガキのどこがいいんだよ。オレの方が格好いいだろうが。





まさか、ナマエに恋人ができるなんて思ってもみなかった。いや、冷静に考えてみるとこれは実際には有り得ない話ではない。ナマエは年頃の女だし、浮ついた話が出てきても可笑しくはないのだ。自分の都合のいいふうに考えていただけで……煙草を口に咥えて、ライターで火をつけた。

今更オレは何を動揺しているんだ。自分の少しばかり目にかけていた奴に恋人ができたことぐらいで焦るなんて、らしくもない。寛容な心で受け止めなければ。