頼れる存在


「ジェシー」
「んー?」
「エマ生きてる?」
「AHA、寝てるだけだよ」

少年倶楽部の収録で合同で使わせて貰ってる楽屋に入って各々の定位置になりつつある座席に向かう前に目に入った光景に問いかけずにはいられなかった。
椅子に深く腰かけてスマホを操作しているジェシーの膝の上に横向きに座って体を預けているエマがいて、それが通常運転みたいな顔でいるジェシーにお前らの関係はなんなんだって聞きたくなる気持ちを抑えた。多分みんな気になってるよ。
高知が寝ていると分かったエマにブランケットをかけると眠りが浅かったのか起きてしまったエマと目が合った。何か耳打ちされたエマが高知にありがとうと告げてブランケットを抱きしめてジェシーにすり寄った。
起きてもそのままなのかお前ら。

「エマ久しぶり」
「樹ひさしぶりー、ステージに立つのすごい緊張する」
「何言ってんだ売れっ子」
「ウレッコって何こーち」
「ドラマとかで見ない日ないよって」
「んふふ、みんなに置いてかれないように頑張ってるの」

バカレアで共演してから、一緒にグループを組むんだと思っていたエマは女優の道を突き進んでいて、置いてかれないようにとか言ってるけど置いてかれてるのは俺らの方なんじゃないかと思うほどだ。
SixTONESの結成が発表された後に、事務所を移籍すると聞いたときは驚きもあったけど、いずれそうなるかもしれないと思っていた自分もいて
「いろんなものを諦めたくなくて、いろんなことに挑戦してSixTONESの隣に立てるようになりたいから」
なんて言われてしまったら、頑張れってしか言えなかった。メンバーには入ってくれなかったけど勝手に7人目のメンバーだと思ってるってことに俺らも同じ気持ちだと言えば嬉しいような照れたような笑顔が帰ってきて可愛いと思った。

こんな風にジェシーに甘えているエマを見ると頑張り屋で甘えたがりで人見知りだから現場で大変なんだろうなと思う。いい意味での大変さだけどここまで心を許せる相手なんて出てくるのだろうか。
普段弱音なんて吐かないからこうやって甘えている姿を見るのが何でか嬉しくて、そんな姿を見せてもいいって思ってくれてることが嬉しくて、エマにとって安心できる場所になれていればいいと思った。


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