order of deathA
人類の行動原理を大別すれば生存と発展に分けることができるであろう。
歴史的に見てみれば、主に生存を目的とした活動の時期が長かったに違いない。
しかし、近年生存が容易に確保できる時代になり価値観が偏移していった。
人類の発展に寄与する事に大きな意味を見出しているのである。
それは個人にとって人類の発展など縁遠い思想に思える。
これらの行動の志向性といのは人間のバックグラウンド下で本能的に稼働しているプログラムであるため、意識することは少いであろう。
自身が意識できるレベルに言葉を言い換えるならば、それは好奇心という言葉に変換できる。
人々は新たな経験や知識を得ることに好奇心を抱き、行動と結果によって心の栄養を得るのである。
だが、発展を続けたつ社会ではその発展に辿り着けない多くの人間を生み出したのである。
これまで考えられなかったスピードで、あらゆる経験や知識を得ることができるようになった一方で、これらの獲得物の凡庸性が増したのである。
つまり若くして多くの好奇心を満たした人間が、自身の力でその先に進む事をやめてしまったのである。
人間の行動の源泉である好奇心が失われたのである。
洋介は未だに虚空の中を漂っている。片手には酒の瓶のが携えられていた。イヤホンからは若い頃に流行ったテクノ・ポップが流れている。
ふと目をやると店の軒先で若い二人組の女が剥き出した足をふらつかせながら、尽き果てぬ愛の懺悔を繰り返している。
洋介胸に手をあてた。
腐蝕した心の器から漏れ出す、情熱に掌がじんわりと熱くなるのを感じた。
そして、今度はしっかりとした足取りで一歩ずつ前に足を踏み出した。
そこにもう迷いはない。
57番街に吹く風が彼を追いかけるようにして吹いた。
ヒュイ
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