ポストジュラシック


ここはバラレル街のとある一角にある郵便局。その名もバラレル郵便局。
ミジンコから反物質まで!をスローガンにバラレル街の運送を一手に担う、遠い昔から構え建つ大変ありがたい郵便局である。

職員のメカティラノ(通称ジェノサイドティラノオートマチック〈2nd通称ジェイク〉)が今日も窓口で3Dマイチューバージャガキンの天文学物理演算チャンネルジャガジャガアストロゥを物理的に荒らし回ってkill数を稼いでいると、背の高い影が自動ドアにぶつかりながら慌ただしく飛び込んできた。
モッコスだ。自称玉乗り師のヤツは既に6回塀の向こうへぶち込まれている。玉乗り師が何の隠語なのかはまだ誰も知らない。

「ジェイク!ジェイク!!こいつを見てくれ!」
ピエロのような格好をした男が玉乗りをしながら窓口まで駆け込んでくる。その手には一封の封筒が掲げられていた。

ジェノサイドティラノオートマチックは緩慢な動きで首をもたげると男の下で転がる玉に向かって口を開け、お馴染みのジェノサイドティラノストリームをお見舞いした。一丁上がりである。口ほどにもない、とはこの事である。

ぼろ雑巾に成り果てた残骸から取り上げた封筒にはデカデカと『メルトク会員募集!』と書かれており、差出人は『徳田康夫』となっていた。ジェノサイドティラノオートマチックが緩慢な動きで封を開けると中には3枚のお札が入っており、1枚目にはガリガリに痩せたアフリカの子供達が、2枚目にはそれを眺めてピザを食うニートが、そして3枚目にはそれを見下すエリート実業家が描かれていた。エリート実業家の後ろではガリガリの子供達が楽しそうに遊んでいる。
やれやれ。バラレル郵便局員に定時はないのだ。ジェイクはギョロっとした目でそれらに目を通すと、緩慢な動きで窓口に戻り緩慢な動きでガタガタと調べ物を始める。

『ボボボ ハローマイチューブ』

画面の中では今しがたぼろ雑巾になったばかりの有機化合物が必死で玉投げの限界に挑戦している。
『ジェイク!見てくれ!ジェイク!チャンネル登録してくれ!』
右端には[18kill]とカウントが表示されていた。

一方モッコスはまだ自動ドアにぶつかりながら慌ただしく飛び込んでいる。玉乗り師という隠語の意味はまだ誰も知らない。



「ジェイク!出してくれ!ジェイク!見てくれぇぇ」
その球の数50!80!まだ増える!120を超えた!
ここまでの玉投げを成り立たせるには玉を放り投げる力の他、手元へ玉が戻ってくるスピードも問われる!それにはより強い引力が必要なのだ!
「持ってくれよ!俺の身体!うおおおぉぉぉ!!」
ジャガキンは自らの手の甲に超高密度の物体を発生させつつ玉の数を増やし続ける!!いまや彼の手にかかる力は1000万バールを超えている!!!玉の数は4000に達したあぁ!!
ザムい…!こいつぁザムいぜ…!
そしてそれを見つめるガリガリの子供達!!
モッコスはまだ自動ドアにぶつかりながら飛び込んでいる!!自動ドアとモッコスから放たれる衝撃によって宙に浮き上がる身体!!いつしかその軌道は∞の字を描き出す!!ザ、ザムい!
そして超高密度の物体と∞軌道が重なった時!!

ピカアァァー!!!!





気付けばそこは、7度目にする冷たい独房の中だった。
玉乗り師が何の隠語なのかはまだ誰も知らない

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