my angle


まってて



風呂上りのジュンは暑そうに唸りながら上半身、裸で出てきた。

濡れた髪の毛をブルブルッと振って暑さを紛らわそうとしている彼に、

「水が飛んでる。やめて」

と叱ると尻尾が下がる。 


暑い暑いと呟きながら彼は、冷蔵庫の中から冷えた炭酸飲料を取り出しプシュッと気持ちのいい音を立てて缶を開けた。

さて俺も入ろうか、と着替えを取りに行く。


いつもはジュンより先に入る俺だけど、今日は個人の仕事で帰宅が遅くなった。
帰宅してペットの名前を呼ぶみたいに彼の名前を呼ぶと、いつもなら笑顔で走ってきてくれるはずなのに今日は返事がなく、かわりに浴室からシャワーの音が聞こえていたから「…あぁそう」と一人呟いて靴を脱いだ。

そして半裸のジュンが暑がりながら出てきた、現在。


「おれも行ってくる」

「うん〜」

「暑い?」

「暑い〜」


ゴクゴクと炭酸飲料が喉を通るたびに、彼のたくましい首にある喉仏が動く。

それを横目に俺は服を脱いでいき、脱ぎ捨てられた服はジュンが後で拾って洗濯機に入れておいてくれる。

恥ずかしがれよ、と言われるくらい恥ずかしくない俺にジュンはいつも困らされていて
一枚ずつ脱ぎ捨てられていく服を見ないように目を逸らし、彼はキッチンの方へ行ってしまった。

俺はそんな彼を見るのが面白くて楽しい。


「ジュナ」

「ん?」

「暑いの?」

「…」


彼を追いかけ、背中にひっつくように腕を回してもう一度尋ねる。


「ねぇ、暑い?」

「…服着て」

「ねぇ〜、暑い〜??」

「服着てヒョン…酷いことするよ?」


酷いことってなんだろう
俺が今日、"それ"を酷いことって思わなかったら今日の"それ"は酷いことにならないんじゃないか?


鍛えられた背中の熱が凄い…
同じ男なのになんでこんなに身体が違うんだ。

なんていうの?なんか、なんだろ

……硬くて、大きくて、熱そう


「暑いなら引き剥がせば?」

「…できないです」

「どうして」

「……」


困ってる

それでいい


彼が葛藤している姿が可愛い。
結果はいつも同じなのに。一応葛藤している彼がとても可愛い。


「…ハニ、」

「ストップ」

「…」

「風呂に入ってくる。待ってて?」

「…なんで?…待っ、」

「気持ち高めて、待ってて」


そう言って、ぴっとりくっついていた身体を離し俺は風呂場へ向かう。
キッチンに蹲み込んだ彼が、「なーーんーーでーーー!!」と叫んでいて俺はニヤニヤが止まらなかった。

今日は遅くまで仕事をして、疲れて、ヘトヘトで、癒されたい、"愛が欲しい"んだ。
いつにも増して、恋人の愛を求めているんだ。

彼にもいつにも増して気持ちを高めておいてもらわないと困る。
まぁいつだってジュンは120%だけど一応念のためだよ、念のため。念入りなの、俺は。

彼とのコミュニケーションに関しては、特別に…



「待っててね、ジュナ」





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