「やめろ」
「…こっっわ」
一応恋人同士でしたよね?俺たち…
え?違うの?俺の妄想ですか?ジョシュアさん…
「…ねぇせっかく二人きりなのに」
「そーいう気分じゃない。なんか面白いことやってスンチョル」
「はい!?」
椅子に足を折りたたんで座り、パクパクとお菓子を口に運びながら彼は無茶振りをした。
いつものように。ごく自然に無茶振りをしてきた。
俺は仰せのままに思いつく面白いことをして見せたけれど、彼はあまり変わらない表情でじぃーーと退屈そうに俺を見つめ、最後の変顔だけ「っふ…」と笑わせることができた。
「…ま、満足ですか」
「うん」
「…はぁもう。変顔レパートリー増やしとかなきゃ」
「愛嬌でもいいよ?」
「マジで勘弁してくれって…」
「ふふ。スンチョルも食べる?」
食べかけのお菓子を一つ手に取り、ん。と俺の方に伸ばしてくれたから、口を開けてそれを迎えに行くと、
「…っ、おい!!」
「美味しい〜」
何度やられても引っかかってしまう自分が不甲斐ない…
まぁ、シュアが楽しそうだからいいけど…
今日は全然恋人としては相手にしてくれなさそうだから、諦めた。
別に何もしなくたって勿論楽しいし、幸せだ。
メンバーといる時間は本当に幸せだ。
彼にはそれに少し、特別な感情がプラスされている。
なんか、胸の辺りがドキドキ…ザワザワ…ムラムラ…するような。…ムラムラはまずいな。気持ち悪がられるから絶対言えない。
「スンチョルマジで気持ち悪い」シュアの冷徹な表情が脳裏に浮かんで冷や汗がつたった。
「スンチョル」
「ん?」
「キスでもしようか」
「……んん??」
さっき諦めたとこだったんですけど…
いやそりゃあできることならしたいですが。
「…え、いいの?」
「して」
冒頭、やめろ。と冷ややかな瞳で言い放たれたことを思い出すとビクビクしたけど、今の彼の瞳をよく見るとその時のとはまた違っていた。
涼やかな瞳の奥に揺らぐ感情が俺の方まで伝わってきて、嬉しかった。
「……ん…っ」
彼の瞳が好きだ
キスの合間に見せる麗しくて艶やかな瞳は特に…
これだけは、俺しか見ることのできない瞳。
そんな風に考えると、やっぱりなんだかムラムラしてして…あぁいけないいけない、気持ち悪がられる…と自制をきかした。
シュアに嫌われるのだけはイヤだ…
嫌いなんて言われたらもう俺立ち直れない…
「…ン、みんな帰ってくるかな」
「…あ、…だな」
「ざんねーん」
「…思ってんの?」
「思ってるもーん」
「…やめろって言った時の顔、めちゃ怖かったぞ」
「可愛いの間違いでしょ」
「……」
「可愛い?」
「…いやそりゃ、可愛いよ」
「ホラ」
「ったく…」
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