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「お前らよく来たな」
「日向さん!!」
心なしか翔ちゃんの目が輝いているように見える。現実でも夢でもやはり彼は日向先生のことが大好きみたいだ
「アリス...覚悟はできているんだな」
「え...?」
いきなり向けられた"覚悟"という言葉に、何のことだかさっぱりわからないままトキヤに助けを求める。はぁ、と溜息をつかれたのだけど、私、悪いことなんてしていないのに何だか私が悪いみたいじゃないか
「日向さん、実は...アリスは昔の記憶がないみたいなんです」
「何だと...!?しかし...いや、まぁ無いのならその方がいいのかもしれないな。余計な思いなんて無いほうが良いだろう」
日向先生の言葉に空気が重くなるのを感じる。一体これから何があるというのだろうか。あと少しで思い出せそうなのに、それが何なのか、出てこなくてもどかしい
「龍也ってば〜先に行っちゃうなんて酷いわ〜!!あら、アリスじゃない!!久しぶりね〜」
空気を知ってか知らずか、己のペースのままに月宮先生がやってきた。二人の様子を見ると、この世界ではどうやら王女に仕えている人みたい
「ん?みんなそんな暗い顔しちゃってどうしたのよ〜?」
「うるせぇ...お前は黙ってろ!」
「もう、龍也がそんな怖い顔するからみんなビビっちゃってるじゃない!あ、そうだアリス、私と一緒に来てくれる?」
「あ、はい...」
ここにいてもどうしようもない、一先ず何も考えずに月宮先生についていってみよう。
私はこの重苦しい空気から逃げるように先生と共にどこかの部屋に向かうのだった
―「これがなまえちゃんの夢...」
機械を操作していた学園長のサングラスがキラリと光る
「これは大変なことになりましたねぇ〜龍也サーン!!」
「なんだよオッサン...」
「彼女は自分の過去を思い出さないと帰ってはこれない...つまり、思い出さなかった場合ずっと眠ったままだろう」
いつものふざけた言い方なんかじゃなく、真面目な口調に変わる学園長にその場にいた誰もがそれが真実なのだと痛感した