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先月スカウトされた大手芸能プロダクション。ようやく自分の居場所を見つけられる気がしたそんな期待を込めて即答、「やりたいです」と。




名刺に書いてある住所に向かった。ビルの3階フロアが事務所だ、扉を開けると見たことある人が2人と普通の男性と怪しいおじさん・・・いや、シャイニング早乙女か


「すみません、先日スカウトを受けた者ですが」


口を開いた途端、人間とは思えないスピードで私に近づくシャイニング早乙女と、月宮林檎


「うむ、さすがデース!!斉藤の目は確かな用ですネッ!」

「まぁ!可愛いわねぇー♪あたしのことはリンちゃんって呼んでねっ」

「苦労したんですよ、捜すのも。あ俺マネージャーの斉藤」


何が何だかわからない。どうしたらいいのだろうか、ひとまず先程からしゃべらない日向龍也というアイドルに助け欲しいと視線を送ってみる。その思いが通じたのか彼は軽くため息をつき


「どいつもこいつも...新人の自己紹介が先だろうがっ」


そう言い放ち私に目線を送る。視線に答えるように始める


「みょうじなまえです、よろしくお願い致します」


ようやく自己紹介が終わった


ひとまずシャイニング事務所の寮に入るらしい。が、連れてこられたそのマンションは新築の15階建、その6階、とにかく部屋が広い、広すぎる


「もっと狭い部屋でいいですよ」


そう言うと


「いつか必要になるんだ、ありがたく住んどけ」


とわけのわからない理由と共に頭をポンポンっと撫でられた


「あと、俺や林檎には敬語なんていらねぇからな、同年代だし」

「でも先輩ですし...」


さすがにそれはちょっと、と言うと


「いいのよっ!あたしのことリンちゃんって呼んでほしいし」

「マネージャーなのに敬語っていうのもね、変だしさ」


みんながそういうのなら


「わかりました、敬語はなしで」

「あ、使ってるじゃないの」

「あ...すみま....ごめんね」


そんなやりとりに場の空気が暖かくなった気がした。なんで初対面なのにこんなに優しいんだろうと不思議で仕方なかったが、今はそれに甘えておこう

「龍也さん、リンちゃん、斎藤さん、これから頑張ります!よろしくお願いします!!」


龍也さんと斎藤さんはにこっと微笑んでくれる。リンちゃんは...あれ?なんで震えて...



「んもうっ、なまえちゃんてば可愛いんだからぁ〜っ!!!!」

と、思いっきり抱きつかれた、どうやら彼女はスキンシップが激しいようだ、要注意。


その後リンちゃんと私は、龍也さんと斎藤さんに引き剥がされるのであった