若利くんと初詣


「明けましておめでとうございます。今年もよろしくね、若利くん」

「明けましておめでとう。こちらこそ、よろしく頼む」

「…ふふっ、なんだかこうして改まって挨拶するの、少し変な感じ」

「そうか?新年なのだから当たり前だろう」

「んー、まぁそうあるべきなんだろうけれどね。…ところで若利くん…恐ろしいくらい袴が似合うねぇ」

「そうか。ありがとう」

「(あ、ちょっと嬉しそう…?)まさか袴を着て来てくれるなんて思ってなかったから、わたし普通の服で来ちゃったよ。なんかごめん」

「何故謝る。俺に合せる必要などないだろう」

「確かに必要はないけどさ。合わせられたら少しは絵になってたかなぁって」

「…俺には良く分からないが…そうだな、なまえは着物も似合うだろう」

「えっ!…あっ、そ、そう、かな…?」

「ああ、俺はそう思う。一度見てみたい」

「…そ、そっか…。じゃあ来年、もしまた一緒に来られるようなら、着てみようかな」

「分かった。来年に期待しておく」


笑う鬼と微笑うキミ。




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