空条兄弟in出られない部屋


◇詳細はまるっと省いて「相手に直してほしいところを言わないと出られない」部屋。
 名前変換なし。


「『相手に直してほしいところを言わないと出られません』って、…なんじゃこりゃ。悪戯か?」

「…いや、悪戯にしちゃあタチが悪いぜ。この部屋は単なる隔離室じゃねぇ。恐らくだが、幽波紋能力の一種だろう」

「なに、幽波紋!?壁も床もあの文字も、俺にもハッキリ認識できるぞ。こういうタイプもあるのか?!」

「なんでだいぶ楽しそうなんだ、あんたは」

「いやいや、別に楽しんでるわけじゃあねーよ。ただ興味深くてな。俺にはいつもぼやっとしか分からねーから」

「…まぁ、実際物質を操ったりするやつもいたからな。これもそういった類いだろう」

「ははぁ、色んなやつがいるんだなぁ。…さて、弟よ。俺は幽波紋初体験なわけだが…なにか俺にできることはあるか?」

「今、壁や天井をスタープラチナで殴ってみたが、まるで手応えがねぇ。…となると、」

「…これを試してみるっきゃねぇってことか。よくあるのか?こういうのは」

「いいや、この手の能力はおれも初めてだぜ。…おれが兄貴に直してもらいてーのは、『おれを急に呼び出すこと』だな」

「ははは、善処する」

「この野郎」

「俺が承太郎に直してほしいところ、ねぇ…。なんだろうな…身長、は流石にもうどうにもならねぇし…うーん…、」

「(どんだけ身長気にしてんだ…)」

「…あ、『徐倫ちゃんが俺に懐いてくれていることに嫉妬するところ』だな!」

「あ?」

「毎年クリスマスや誕生日の時、徐倫ちゃんが俺のプレゼントをあんなに喜んでくれて…それをお前はいつもいつも難癖つけてくるだろ〜?そりゃあ娘がかわいいのはわかるがなぁ」

「さっきのは訂正だ。兄貴には直すべき重要なデカすぎる欠点が他にある」

「訂正もクソも、なんかあそこの扉開いたっぽいぞ。出られるんじゃねぇのか?」

「はぁ…やれやれだぜ…」




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