ギアッチョと世間知らず


◇5部本編前の平和(?)な世界。名前変換なし。


「ギアッチョ〜、コレあげる」

「あ?なんだよ突然、気色悪ィな」

「ひどすぎて全わたしが泣きそうなんですけど。ほら、今年会うのは今日が最後かもしれないからさ。来年もよろしくってことで」

「オメー、ンな殊勝な奴だったかァ?…ま、くれるっつーんなら貰っとくぜ」

「ふふ、こういう一般的なの、ちょっと憧れだったんだよね〜」

「…一般的…?おい、まさかお前これよォ…、」

「あれ、ギアッチョもしかしてボクサーじゃなくてトランクス派だった?もしくはブリーフ?」

「違ェわッ!いや、違わねぇが…そういう話じゃあねぇんだよ、オレが言いてぇのはよォ〜、平然と男に下着なんぞ渡してんじゃあねェー!どーいう神経してんだオメーはよォオ〜〜ッ!!」

「うぐぇ!胸倉掴まないで!だ、だって世間一般では赤い下着を贈るものなんでしょ?!」

「だからってオメーは誰彼構わず下着配り歩く気か!?つーかどっちかっつったら逆なんだよッ!」

「えぇ、逆?」

「男から女に…ッ、…贈ることが多い、らしい」

「へぇ…そうなんだ。でも、せっかくだから12月31日はソレ身につけて過ごしてほしいんだけど…ダメ?」

「あ゛ァ?!…ふん、いいぜ。だったらオメーも同じようにしろよな」

「え?あ、うん、用意しとく…?」

「こういうのは贈られたもんじゃなきゃ意味がねーんだよ。…買いに行くぞ」

「買ってくれるの?!ふふ、ギアッチョとお揃いになるね。嬉しい!」

「(脳天気なこと言いやがってコイツは人の気も知らねぇでよ〜〜〜ッ!)」


イタリアでは12月31日から1月1日にかけて赤い下着を身につけるのが習慣。




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