もうすぐ誕生日の花京院


◇『花京院兄妹シリーズ』設定。
 なまえさん不在。


「お前の誕生日になにをやったら喜ぶか分からないんだと」

「…承太郎、それ…多分本人に言ったら駄目なやつなんじゃあないだろうか」

「妹となにを話してたのかってのを聞いたのはお前だぜ、花京院。おれはそれに答えただけだ」

「いや、確かに聞いたよ。だって気になるじゃないか。僕の知らないところでなまえといつの間に仲良くなったのかってさ。…でもそれをどストレートに言うかい、普通」

「普通はどうか知らねえが、お前は聞いたところで上手いこと知らねえふりができる男だと思ったんでな」

「おいおい、買いかぶりすぎだ。同じ家に住んでるんだぞ、気まずい感じになったらどうしてくれるんだ」

「おれは逆に、そうならねえために言ったつもりだ。…どう見ても、お前の妹は嘘や隠し事が下手そうだからな」

「…確かに、否定できないな」

「フ…だと思ったぜ」

「随分なまえのことを気に入ってるみたいだな、承太郎」

「…そうだな。まだまともに話したのは数回程度だが、面白い奴だとは思ってる」

「はは、若干ズレてるところがあるからなぁ、なまえは。変なところで真っ直ぐだし」

「お前とよく似てるぜ」

「え、そうかい…?」

「まぁ、せっかく話したんだ。なにか希望があるならおれからそれとなく伝えとくぜ」

「…いや、遠慮しておくよ。なまえがなにかしてくれるっていうんなら、僕はそれに素直に驚いたり喜んだりしたいからね」

「そうか」



そう言うだろうと思ったよ。




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