とある早朝の花京院兄妹
◇『
花京院兄妹シリーズ』設定。
「…よっし、行くかー」
「なまえ、こんな早朝に何処へ行くんだい?」
「わっ!?…びっくりした…兄さん、なんで休みの日にこんな朝早く起きてるの?」
「いやぁ、予想以上に長く険しい道のりで、思わず時間を忘れてしまっていたというかなんというか」
「…ああ、ゲーマーあるあるってやつね、知ってる」
「で、なまえは何処に行くんだい?部活の練習にしては早すぎると思うけれど」
「んー、部活のってわけじゃないけど、ランニングにね。体育祭が近いから」
「体育祭前だからってわざわざ個人練習しなくても、部活で充分走るだろうに…なんでまた」
「今度の体育祭でマラソンやることになっちゃったから。わたし、部活では短距離専門にしてるし、少しは長距離走るのに慣れといた方がいいかなって」
「…なるほど。なまえは真面目だなぁ」
「真面目っていうか、単に負けたくないだけだよ。やるからにはね」
「ふふ、そうかい。…体育祭、僕も応援に行こうかな…」
「ええっ!?に、兄さんが…?!」
「そんなに驚くことかい?」
「…いや、そりゃあ驚くよ。転校する前の学校だから知り合いくらいいるだろうけれど、それでも兄さんが自ら人混みに紛れようとするなんて…」
「…あー、うん、まぁ…言いたいことは分かる。確かに少し前じゃあ僕だってそんなこと考えもしなかっただろうね」
「…ほんと、変わったよね、兄さん…」
「ああ、そうだ。ついでだから承太郎も誘ってみようか?」
「人混みを一点に集中させるような危険な行為はやめるんだ兄さん!」
「…それもそうだね」
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