おばあちゃん!


小さな人影が二つ。私の足元で対峙している。

「…DIO様、この娘は…DIO様のご息女で?」

数日前の雨で腰を痛めていたというエンヤ婆は、なまえを初めて見ることになるのだが…この老婆、ついに耄碌したのだろうか。何処をどう見ればなまえがこのDIOの娘に見えるというのか。

エンヤ婆の視線の先にいるなまえを見れば、私のズボンを握りながら私とエンヤ婆の会話を静かに見守りつつ、時折こちらを見上げる曇りない瞳と目が合う。

「いいや、違う。この娘はなまえ。訳あって此処に住まわせている」

「はぁ…。では幽波紋とは無関係ということにございますな」

「ああ」

エンヤ婆はまるで値踏みするかのようにじっとなまえを見つめるが、例えなまえにその才能があろうとなかろうと…そんなことは関係ない。
なまえは無関係でなくてはならないし、そうあるべきだ。
争いや危険とは無縁に、ただ笑っていればいい。

「はじめまして、なまえです。よろしくおねがいしますっ」

「おぉ、これは礼儀正しい子じゃ。わしはエンヤ・ガイル。困ったことがあれば相談にきなされ」

「はいっ!ありがとうございます、エンヤおばあちゃん!」

「おばあちゃん…まるで孫が出来たようですじゃ…」

丁寧に頭を下げたなまえの頭をエンヤ婆が撫でる姿は、本人が言うように孫と祖母の図にも見える。
なまえもエンヤ婆と同じように笑顔でいるが…しかし。
孫ということはつまりエンヤ婆の息子であるJ・ガイルの娘ということになる。

…有り得ん。

息子を異常に溺愛しているエンヤ婆は激怒するだろうが、あの男の遺伝子からなまえのような娘が生まれるなど有り得ないことだ。

考えるだけでおぞましい。

だが…なまえにとってエンヤ婆に気に入られていることは良いことだ。

「でぃお?どうかしましたか?」

「…いいや、なんでもない」

此処は黙っておくとしよう。

首を傾げるなまえの頭を撫で、その小さな身体を抱き上げる。

なまえは僅かに驚いた表情を見せたが、またすぐに笑顔を浮かべ、私の服を握った。



end




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