あれっしー!
俺の名はアレッシー。
エジプトの九栄神、『セト』の暗示の幽波紋を持つ人間だ。
とある噂で、俺のような所謂幽波紋使いを集めて雇っている男がいると聞いていた。
正直俺にはまったく関係のない話だと思っていたが…今、どういうわけかその噂の“男”らしき野郎と、対峙している。
「(なんなんだこの圧倒的ヤバい雰囲気はァア?!)」
正直、早いとこ帰りたい。
真っ昼間だってーのに閉めきられた厚手のカーテン。おかげで柱にぶつかるわ階段でコケそうになるわ蜘蛛の巣に引っかかるわ…。
いや、この際そんなことはどうでもいい。
問題は、この館に入った時から感じている圧迫感…。
絶対にヤバい…!
そんな中、俺と対峙している…DIOと名乗ったそいつの膝に座りながら、その身体に身を預けて眠っている謎のガキ…。
なんなんだあのガキは!?
状況分かってんのか?!
むしろどういう状況なんだ!?
「セト神を暗示する貴様の幽波紋は、人間の時間を操作する能力と聞いているが…間違いないか?」
「へ、へぇ…正確に言うと、若返らせる能力です…」
「若返らせる…逆はできんのか?」
「逆…といいますと、」
「成長を早めることはできんのかと聞いているんだ」
「ひ…っ」
できねぇよ!若返らせる能力だって言ってんだろうがトンチキがァアッ!
「で…できません…」
ちくしょう〜、完全に腰抜けた…!
「…そうか」
ヤバいヤバいヤバい…俺の能力はどうやら奴が望んだものと違っていたらしい。
知るか!
もしかして俺は用済みってことで殺されたりは…しないよな。まさかな…ははは…。
頼むから「帰っていい」と言ってくれ!
この沈黙に耐えられねえ…!
膝の上で寝こけているガキの頭を撫でているDIOの目は、どうにも残念そうに見えた。
まさかとは思うが、さっきの成長を早めるだのっていう話は…あのガキのことじゃねえだろうな?
DIOとガキがどういう関係かは知らねえし知る気もないが…。
とりあえず、これだけは分かる。
あのガキとはあまり係わらない方が身のためだ。
end
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