千歳に間違い電話
「もしもし?」
『はっや!…なんでワンコールで出るの』
「え、いかんかったと?なまえからやったけん、張り切って出たんやけど」
『いや、なんていうか…ごめん、間違い電話』
「間違い電話やったんか」
『うん。今日スマホに変えたばっかで、今アドレス帳編集してたら…うん。間違って発信しちゃった』
「ああ、スマホに変えたんやね。どうね?話題のスマホは」
『…凄く、使いにくいです。今も間違い電話しちゃうし』
「話題どおりばいね。もう間違い電話の常習犯になっとるん?」
『や、流石にまだそこまでは。千歳がお初だよ』
「お。そいつは嬉しかね」
『え、なんで?』
「なまえが携帯変えて最初の発信履歴が俺になったから」
『嬉しいの、それ…』
「なんでもなまえの初めてなら嬉しか」
『変な言い方しないで下さい』
「それより、間違い電話やのに長話ししてしまったばい。すまん」
『ううん、千歳の声好きだから大丈夫』
「え、」
『あ、ちゃんと千歳も好きだよ』
「…それ、明日直接言ってほしか」
『むり』
- 15/65 -
前ページ/次ページ
一覧へ
トップページへ