承太郎と兄貴


◇名前変換なし。承太郎とアメリカに住むお兄ちゃん。


「よお、久しぶりだな承た…ん?承太郎、だよな…?」

「5年近く会ってねえとはいえ、流石のおれも傷つくぜ…兄貴」

「いやぁ、悪い悪い。イロイロ噂にゃあ聞いてたんだが、俺の知ってる弟と随分様変わりしちまってたもんだから。まぁ立ち話もなんだ、座れよ」

「ああ」

「ところで承太郎、お前今身長いくつだ?」

「身長?…195cmだが」

「ひゃくきゅうじゅうごだァ?!」

「お、おう」

「フフフ…ついにこの兄を超えやがったな承太郎…」

「兄貴だって190近くあんだろうが」

「うるせー!兄とは弟よりも一歩先を行く存在であるべきなんだ!それがお前…弟に見下ろされるなんて屈辱以外の何物でもねえッ!」

「世の中の弟より背の低い全兄に謝れ。だいたい、兄貴はじじいの会社を継ぐ次期社長なんだろ。おれなんかより一歩どころか何歩も先を行ってんだ。身長くらいはおれに譲ってくれてもいいじゃねえか」

「そ、そうか…?それならまぁ…弟のお前がそう言うんじゃあ仕方ねえなぁ。しゃーねえ、身長くらいは大目にみといてやるか!うん!」

「悪いな、兄貴(小せえっつーか、チョロいっつーか…)」



ところで、兄貴は座らねえのか。…とは言わないでおいた。




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