仗助くんの泣き虫だった幼馴染


◇吉良戦直後。


幼馴染のなまえちゃんは、よく泣く子だった。

怪我をした時とか、意地悪された時。そんで、すぐ泣いちまうから余計からかわれちまうんだよなぁ。

おれはそんな彼女が心配で、おれが守ってやんなきゃって思ったんだ。
お袋も、「女の子を泣かせるような最低な男にはなるんじゃないよ」なんて言ってたしよ。

それに、なまえちゃんが泣いてんの見たら、どうしても放っとけなかったんだ。おれは。

『なまえちゃん、転んだの?足、見せてみて』

『…ひ…っく…ごめんね、仗助くん…ぐす…っ、』

『ほら、痛いの痛いの〜…飛んでった!…ね、なまえちゃん、もう痛くないだろ?』

『…え…?…あれ?怪我が…ほんとに飛んでっちゃった…!』

『なまえちゃんが泣き虫で心配だから、神様がおれに魔法をくれたんだよ!』

『わぁ…!すごーいっ!ありがとう、仗助くん…っ』

幽波紋能力を使えるようになった時、おれは子供ながらにこれはあんまし人前でやらない方がいいんだろーなとか思ったわけだが…。
それでも、なまえちゃんが泣き止んで、そんで笑ってくれるんだったら…ま、いっか。なんて、我ながら楽観的だったよなぁ〜…。

だけど、いつからだったんだろう。
なまえちゃんがおれの前で…いや、人前で泣かなくなったのは。

「仗助くん…仗助くん…っ!よかった、元気そうで…っほんとに…っ!」

「…ありがとな、なまえちゃん…おれのために泣いてくれて…」

怪我で入院してるおれなんかよりよっぽどひどい顔色で走って来たなまえちゃんが、おれの手を握ってぼろぼろ泣いている。
その泣きじゃくる顔を見て、ああ、そういえば彼女の泣き顔を見るの、久しぶりだな。いつぶりだろう。なんて思ったわけだ。
そんでその姿に、不謹慎かもしれねーけど…おれは心配とかじゃなくて、なんかこう、胸があったかくなって。怪我の痛みとか関係なく、なんとなく…泣きそうになった。




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