承子ちゃんをお見送り
◇
承子ちゃんの一時帰国2の続き。
「…」ぎゅぅうううっ
「じょ、承子ちゃん、苦しいです…っ。それに、そろそろ搭乗口に向かわないと間に合わなくなっちゃいます」
「分かってる。…分かっちゃいるんだが…離したくねぇ…」
「…わたしだって、離れたくないです。離れている間、色々不安になったりもするし…何よりさみしいです。ほんとはもっと、たくさん一緒にいたい」
「なまえ…」
「でも、それとは別に、承子ちゃんのこと純粋にすごいって思ってるんです。アメリカへ留学して勉強しているなんてすごくかっこいいし、自分のことみたいに誇らしいんです。だから、」
「っ」
ちゅっ
「い、いってらっしゃいのチューです。絶対、帰って来てくださいね。わたしも勉強しながら待ってますから…」
「あ…ああ、いってきます…」
最後に行ってきますのチューをしてようやくゲートへ。
(なまえからキスされるとは思ってなかったぜ…。まさかとは思うが、挨拶のキスのつもり、じゃねぇよな。普通口にはしねぇし…まぁ、とりあえず余計なことは言わないでおこう)
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