シーザーへ贈る999本のバラ


「今日も熱心だな、なまえ」

「シーザー。お疲れ様、お茶でも淹れようか?」

「いや、大丈夫だ。…それより、少し見ていっても?」

「もちろん構わないよ。でも退屈じゃない?」

「そんなことはないさ。キミが美しいバラに囲まれている光景は、一枚の美麗な絵を見ているように見入ってしまう」

「ふふふっ、わたしが花壇の手入れをしてるところなんか珍しい光景でもないのに。…でも、丹精込めて育てたこのバラを褒めてもらえるのは素直に嬉しい。ありがとう」

「今、このバラは全部で何本くらいになるんだ?」

「999本。本当は1000本丁度だったんだけど、1本ダメになっちゃって、さっき切ったの」

「へぇ…999か…」

「中途半端な数だとは思うんだけど、丁度この本数には意味があってね。シーザー、花言葉とか知ってる?」

「ああ。999本のバラは、『何度生まれ変わってもあなたを愛す』」

「そう。流石シーザー!…そんなロマンチックな花言葉があるから、1本ダメになっちゃったのは残念だけど、この本数のままでもいいかなって思ってるんだ」

「…なぁ、なまえ」

「なぁに?」

「このバラを、俺にくれないか?全部」

「え、全部…?」

「ああ。…なまえが丁寧に育てた花たちだから、切ってしまうつもりはないんだが、その…言質がほしいというかだな…、」

「…もー…、シーザーって本当に…ずるいっていうか、敵わないなぁ…」

「なまえ…?(気を悪くしてしまっただろうか…)」

「いいよ、あげる。999本まとめて全部!」

「いいのか?」

「…だって、わたしもそのつもりだったもの。花言葉を思い出してから、シーザーに…って」

「…っなまえ…!」

「わっ、シーザー!?わたし、今泥ついてるから!汚れちゃうよ…っ!」

「構わないさ!どうせこの後も修行で汚れるんだ。それより、今はキミをこうして抱きしめたくて仕方がない!」

「情熱的なのはいいんだけど、流石に外では…は、はずかしいよ…!」

「なまえ、今すぐに俺からキミへ同じだけのバラを贈ることができないのは悔しいが、俺も同じ気持ちだ。何度生まれ変わろうと、俺はなまえを必ず見つけて、そして愛してみせる」

「う、ぁ…は、はい…っ」



生まれ変わろうとも、キミへの愛は変わらない。




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