承太郎と3月14日の放課後


◇平和な日常。


「じゃあ承太郎、また明日ね!」

「…なまえ、ちょっと待ちな」

「え、なーに?」

「手ェ出せ」

「手?こう?」

「両手だ。手のひらを上に向けてぴったり合わせとけ」

「んん?こんな感じ?」

「ああ、それでいい。…ほらよ」

「飴?…って、わ、ちょっ!」

バラバラバラ…

「色んなのがあるけど…え、なぁに?どうしたの、こんなにいっぱい…?」

「やる。お前には世話になってるからな」

「やるって…こんなに貰っちゃっていいの?わたしこそ承太郎にはたくさんお世話になってるのに」

「…お前、今日の日付を覚えてねーのか」

「それくらい覚えてるよ〜。3月14日じゃない」

「…、」

「…あれ…もしかして承太郎、これって…ホワイトデーのお返し…?」

「…チッ、わざわざ言わせんじゃねぇ!」

「えっ、だって承太郎がそういうの気にするって思ってなかったからまさかって…!ご、ごめんってば承太郎〜!」



飴のいくつかは少し溶けかけていて、彼がずっとズボンのポケットに忍ばせていたのだと思うと、ちょっぴりおかしかった。




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